藤堂氏勝

藤堂氏勝の生涯

藤堂氏勝（とうどう うじかつ）は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけて活躍した武将で、藤堂家の家臣として知られています。彼の本姓は長井氏であり、通称は勘解由です。彼の生涯は、戦国時代の激動の中で多くの功績を残したことで語り継がれています。

初期の経歴

氏勝の転機は、天正18年（1590年）に藤堂高虎に仕官したことに始まります。藤堂高虎は、戦国時代に名を馳せた大名で、氏勝にとっては運命を変える人物となりました。彼は高虎のもとで忠誠を誓い、他の家臣たちと共に数々の戦に出征します。

特に、朝鮮出兵においては、慶長2年（1597年）9月に鳴梁海戦での活躍が際立っています。この戦闘は、日本の海軍史においても重要な位置を占めるもので、ここで氏勝は功を挙げたことで、藤堂姓を名乗ることを許されました。こうして彼の名は高まり、さらなる戦功を求める道が開かれました。

関ヶ原の戦いとその後

関ヶ原の戦いでは、氏勝は再びその技能を発揮し、戦場での活躍により一定の名声を得ました。さらに、彼は板嶋城の天守の普請奉行としてもその手腕を見せました。これにより彼の地位は一層強固になり、藤堂家の重臣としての役割を果たしました。

大坂の陣においても氏勝は重要な役割を担い、冬の陣では一隊を率いて従軍しました。この戦においては、彼は一千石の加増を得ることとなり、もともとの二千石からさらに権力を強化することができました。

八尾の戦いと悲劇

夏の陣の八尾の戦いでは、氏勝は長宗我部盛親隊との激闘に突入します。この戦闘では彼は自身の隊を指揮し、敵の左側面を攻撃しようとしましたが、長宗我部主水の猛攻に遭います。氏勝は戦闘中に下馬し、直接戦いに臨むものの、主水からの槍攻撃を受け重傷を負ってしまいます。しかし、家臣の村田平左衛門の助けも虚しく、最終的には致命傷を負い退却中に命を落とします。

この戦いでは、多くの武将が討ち死にしており、特に藤堂家の高刑や桑名吉成らが戦死したことが記録されています。氏勝は八尾常光寺に葬られ、その死は忠誠の象徴として後世に語り継がれました。

その後の影響

氏勝が討死した後、彼の隊は他の隊に比べて異なる扱いを受けました。大将の討死により首を獲られた他の隊員は恩賞を受けられなかったものの、息子の氏紹が遺体を持ち帰ったことで氏勝の隊だけが特例として加増を受けました。このことは、氏勝の名声や功績の高さを示すものであり、伊勢津藩の重臣として彼の子孫が続くこととなりました。

藤堂氏勝の生涯は、戦国の激動を生き抜いた武将として多くの戦いを経て築かれたものであり、その功績は藤堂家の歴史に深く根付いています。

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