藤塚町 (高松市)

藤塚町（ふじつかちょう）

高松市の中心部、市役所から南へおよそ1キロメートルの場所に位置する町です。郵便番号は760-0071。町域の大部分では法律に基づき「一丁目」から「三丁目」までの住居表示が導入されていますが、藤塚町6番地のように一部には住居表示が実施されず、町名の後に直接地番が付く区域も存在するという特徴を持っています。

地理

藤塚町の境界は、西側を都市の幹線道路である中央通り、南側をJR高徳線、東側と北側をそれぞれ市道によって区切られています。北側の境界線は、市道馬場田町線、市道藤塚町多賀町線、そして観光通りが担っています。

町域内部は、区域によって異なる景観を見せます。

一丁目：西側の境界をなす中央通り沿いには、オフィスビルが立ち並んでいます。また、田町商店街から続く旧街道にあたる市道丸亀町栗林線沿いには、昔ながらの商店街の雰囲気が見られます。
二丁目：一丁目の東側に広がる区域で、主に住宅地となっています。
三丁目：ことでん琴平線の線路を隔てて二丁目の東側に位置します。JR栗林駅の駅前にあたり、主要な通りとして県道160号高松港栗林公園線が通っています。この区域は、住宅、商店、小規模な工場などが入り混じった多様な土地利用が見られます。

統計情報

2010年の国勢調査によると、藤塚町の人口は2712人（男性1227人、女性1485人）、世帯数は1557世帯です。面積は約24万8209平方メートル（約0.25平方キロメートル）で、人口密度は約1万926人/平方キロメートルとなっています。

学校区

町内の公立小中学校の校区は、所在地によって分かれています。一丁目の一部の区域（1番）は亀阜小学校と紫雲中学校の校区に属します。それ以外の一丁目全域、二丁目、そして住居表示のない藤塚町（○丁目無し地域）は、栗林小学校と桜町中学校の校区です。三丁目は、花園小学校と玉藻中学校の校区となっています。

都市計画

都市計画法に基づき、藤塚町内は主に商業地域と近隣商業地域に指定されています。中央通り沿いは容積率600%の商業地域、住居表示のない藤塚町（○丁目無し地域）は容積率500%の商業地域です。観光通りや市道魚屋町栗林線に面した街区とその周辺は容積率400%の商業地域となっています。これらの商業地域以外の区域は、容積率300%、建ぺい率80%の近隣商業地域に指定されています。

住居表示の混在について

藤塚町に見られる、同じ町の中に「藤塚町○丁目」という表記と「藤塚町」に直接地番が続く表記が混在する現象は、住居表示が導入された区域とされていない区域が入り混じっていることを意味します。

この背景には、1945年の高松空襲による甚大な被害からの復興過程があります。戦後、高松市中心部の広範囲で戦災復興土地区画整理事業が行われ、約358ヘクタールに及ぶ区域が再整備されました。この区画整理は複数回に分けて実施され、最終的な換地処分（土地の所有権を整理し、新しい区画の土地を割り当てる手続き）は1958年から1970年にかけて完了しました。換地処分と同時に地番整理も行われました。

その後、1964年から順次、住居表示に関する法律に基づく住居表示が実施され始めました。しかし、高松市では既に地番整理が完了している地区の一部で住居表示が実施されないケースがありました。これにより、住居表示実施区域と非実施区域の間に境界が生まれ、道路の配置などの都合で、その境界が同じ町の中にできてしまう場合が発生しました。藤塚町の6番地が住居表示非実施区域として残ったのは、このような経緯によるものです。

歴史

藤塚町は古くは「富士塚町」とも表記されました。町名の由来についてはいくつかの説があります。一つは、生駒氏に仕えた家臣、佐藤道益の墓塚があったことに由来するという説です。もう一つは、飲酒して通行人に悪事を働いた「藤」という山伏が生駒公によって斬られ、その塚である徳善寺境内の「藤塚」から名前が付いたとする説です。

町の歴史は、天保元年（1831年頃）に香川郡中ノ村から分離して「藤塚町」として成立したことに始まります。明治時代に入り、1890年には中ノ村と上ノ村が合併して栗林村が誕生し、藤塚町はその大字となりました。その後、大正時代にあたる1921年11月1日には、栗林村が高松市に編入合併され、藤塚町は高松市の町として引き継がれました。

戦後の復興期には町域の再編が行われました。戦災復興土地区画整理事業に伴う地番整理を経て、1958年には6番地を除く西側の大部分に一丁目と二丁目が設置され、同時に中野町の一部が藤塚町に編入されました。さらに、住居表示の導入に合わせて、1964年には東部に三丁目が設置されました。この際、藤塚町の一部が観光通一丁目・二丁目、桜町一丁目・二丁目、栗林町一丁目〜三丁目として分離・編入されています。

その他

かつては、ことでん志度線の藤塚駅が町内に存在しましたが、1945年の高松空襲で被災し営業休止となり、後に廃止されました。

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関連項目：高松市の町・字、高松市、栗林村 (香川県)、藤塚

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