藤崎城

藤崎城の歴史と構造

藤崎城（ふじさきじょう）は、青森県南津軽郡藤崎町にあった日本の城で、その平城としての特徴を持ちます。安東氏の発祥地とされ、地域の歴史に深く根ざした場所です。藤崎城は平川の右岸に位置する河岸段丘上に築かれ、主郭をはじめ西ノ郭、東ノ郭（新城）で構成されています。全体としての規模は、東西に360メートル、南北には800メートルにも及びます。

藤崎城の構造

• - 主郭

主郭は長方形をしており、東西約83メートル、南北約95メートルの大きさです。この主郭は9メートル幅の堀で囲まれ、一ノ郭と二ノ郭に分かれています。一ノ郭の大きさは東西52間、南北36間で、二ノ郭は南北30間で構成されています。

• - 西ノ郭

藤崎城の北西端に位置する西ノ郭は、東西122メートル、南北約155メートルの規模を持ち、南北方向に堀があります。特に南側の堀は幅14.5メートル、長さ83メートル、北側の堀は幅7メートル、長さ107メートルあり、堀の防御機能が考慮されています。西側は平川に接し、稲荷宮や法光寺といった文化財が点在しています。

• - 東ノ郭（新城）

東ノ郭は藤崎城の東南部にあり、400メートルの東西と540メートルの南北の広がりを持っています。この郭は東に津軽平野、西に岩木川と平川、南西には浅瀬石川に接しています。現在では八幡宮などが残され、地域の歴史を物語っています。

藤崎城の歴史年表

藤崎城は、その歴史の中で数々の出来事を経てきました。康平5年（1062年）には、前九年の役で敗れた安倍貞任の次男、高星丸が津軽へ逃れてきました。彼は後に安倍貞義と名乗り、その子供の堯恒が寛治6年（1092年）に藤崎城を築城し、以後安東氏の居城となりました。

建久6年（1195年）、当主の堯季が蝦夷管領に任命され、寛喜元年（1229年）には彼の嫡男である貞季が十三湊の十三氏を滅ぼし、その結果安東氏は急速に勢力を拡大しました。この時期、十三氏は名門奥州藤原氏の血を引く家系であり、その滅亡は安東氏にとって大きな転機でありました。
貞季の孫、愛季は後に福島城へ居城を移し、その弟、高季が再び藤崎城の主となりました。

その後、安東氏は一族内での対立や、建武政権の変動を経て勢力を維持しつつ、南朝方につくなど様々な政治的変遷が見られました。しかし、最終的には南部氏の攻撃を受け、嘉吉3年（1443年）に落城しました。その後、安東氏は奪回を試みましたが成功せず、安東一族も南部氏の支配下に入ることになりました。

江戸時代には、永禄10年（1567年）に南部氏によって再興されたものの、以降は廃城となり、藤崎城はその静かな歴史の中に佇むこととなりました。藤崎城は独自の景観と歴史を持つ貴重な文化遺産として、現在も地域において注目されています。

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