藤本敦夫

藤本敦夫（ふじもと あつお）

藤本敦夫は、1954年に神奈川県鎌倉市で生まれた音楽家です。彼は神奈川県立横須賀高等学校を経て、早稲田大学に進学しました。音楽の技術を磨くため、ピアノのレッスンを高橋悠治から受け、声楽は前田幸市郎に師事し、小学生から積極的にステージ、テレビ、ラジオ、レコーディングに参加していました。特に1980年には、YMO（イエロー・マジック・オーケストラ）の初国内ツアー「TECHNOPOLIS 2000-20」にも参加したことで、彼の名は広まりました。

その後、橋本一子や横山雅史、木村万作、石井AQらとのコラボレーションを経て、「カラード・ミュージック（Colored Music）」を立ち上げ、リーダーとして活動を展開しました。彼は山下洋輔、渡辺香津美、坂田明、今堀恒雄、さらに菊地成孔、谷山浩子、小川美潮など、ジャンルを超えた様々なアーティストと共演し、音楽の幅を広げています。たくさんの領域で作曲家、プロデューサー、アレンジャー、またセッションミュージシャンとしても活躍しており、音楽界における貴重な存在です。

藤本は、多才な音楽家として、作詞や作曲編曲はもちろん、ヴォーカル、ギター、ベース、ドラム、キーボード、サックス、コンピューターなど、幅広い楽器を使いこなします。これまでに3枚のリーダーアルバムを制作し、さらに3枚のお蔵入りとなったアルバムもあります。また、パーカッションの弾き語りからオーケストラ作品まで、多岐にわたる音楽制作を行ってきました。

しかし、彼の音楽活動は1993年以降に交通事故の後遺症により、日常生活はほぼ寝たきりとなってしまいます。このため、ツアーは休止し、都内でわずかにレコーディングやライヴのみ行うようになりました。それでも、彼は2005年に橋本一子、井野信義と共に新たに「Ub-X」というグループを結成し、音楽活動を再開します。2010年6月には、ほとんどの楽器と歌を自身で多重録音したアルバム「どこにもないランド」をリリースし、Amazonで1位を記録するなど、再び注目を浴びました。

さらに、2011年には菊地成孔とのコラボレーションプロジェクト「Poly Groove Jam」を始め、2012年には「Live Life With Fukushima」というイベントを主催し、多くのアーティストを招いて音楽活動を続けました。2013年には、インターネットを利用した寄付方式のアルバム『All You Need Is Life』を発表し、注目を集めました。

藤本敦夫の音楽作品の中には、代表的なリーダーアルバムとして『Colored Music』（1981年）、映画『高原に列車が走った』のオリジナル・サウンドトラック（1984年）、『Beat Jazz』（1986年）、ソロアルバム「どこにもないランド」（2010年）、そして『All You Need Is Life』（2013年）などがあります。さらに、彼の実質的なリーダーアルバムには『Miles Blend』（2001年）、『Ub-X』（2006年）、『Vega』（2007年）なども含まれています。

CMにも多数参加しており、ナレーションやボーカル、ギターなど幅広いスタイルで貢献している彼の音楽は、文化的にも深い影響を與えてきました。今後も藤本敦夫の音楽と活動に目が離せません。

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