藤正樹

藤 正樹（ふじ まさき）は、1957年12月13日生まれ、静岡県藤枝市出身の日本の男性歌手、作曲家、およびカラオケ講師です。本名は早川 雅基（はやかわ まさき）。身長165センチメートル、体重58キログラム、血液型はA型。スポーツ全般（ゴルフ、野球、テニス、スキー、スケートなど）を趣味としています。東京都世田谷区在住。

藤氏のキャリアは、1973年（昭和48年）3月に出場した日本テレビの人気オーディション番組『スター誕生!』から始まりました。この番組で彼は『新潟ブルース』を歌唱し、その卓越した歌唱力が審査員から高く評価されました。結果、第6回グランドチャンピオンの栄誉に輝きます。これがプロ歌手への大きな足がかりとなりました。

グランドチャンピオン獲得からわずか数ヶ月後の1973年7月25日、藤氏はキャニオンレコードより15歳の若さで歌手デビューを果たします。所属事務所のホリプロは、当時競馬界で話題となっていた人気馬にあやかり、「演歌の怪物ハイセイコー」というキャッチフレーズを掲げて彼を売り出しました。デビュー当時の藤氏は、トレードマークとなった紫色の詰襟学生服を着用し、おむすび型に整えられた個性的な髪型、そして大仏にもたとえられるような福々しい顔立ちで多くの人々に強い印象を与え、またたく間に絶大な人気を集めました。また、静岡県藤枝市で実家が豆腐店を営んでいたことも、彼の飾らない人柄と相まって大衆に親近感を与える一因となりました。

デビュー曲は『忍ぶ雨』（作詞:阿久悠、作曲:新井利昌、編曲:竜崎孝路）。この曲はオリコンチャートで最高13位を記録するヒットとなり、その年の音楽シーンにおいて大きな注目を集めます。彼は『忍ぶ雨』で数々の新人賞を受賞しました。具体的には、銀座音楽祭（サンプラザ音楽祭）でグランプリを獲得し、日本歌謡大賞でも新人賞に輝いています。さらに、同じ年にはアグネス・チャン氏の『ひなげしの花』やガロの『学生街の喫茶店』といったヒット曲と共に、第6回日本有線大賞の最優秀新人賞にも選ばれるなど、1973年は彼にとって飛躍の年となりました。デビューから間もない1973年9月には、最初のアルバム『忍ぶ雨 演歌の怪物初登場』が発売されています。その後も、『あの娘がつくった塩むすび』などのヒット曲を生み出しました。

歌手活動は長きにわたり、2013年（平成25年）7月17日にはデビュー40周年を記念したアルバムが発売されました。近年は、歌手活動と並行して作曲家としても才能を発揮しており、自身の楽曲を手がけることもあります。また、カラオケ講師としても活動し、後進の指導にもあたっています。

代表曲

1973年7月25日: 忍ぶ雨 (作詞:阿久悠, 作曲:新井利昌, 編曲:竜崎孝路)
1973年11月: 恋やつれ (作詞:阿久悠, 作曲:新井利昌)
1974年3月25日: あの娘がつくった塩むすび (作詞:西沢爽, 作曲:遠藤実)
1975年5月: 博多でひとりになりました (作詞:菅野さほ子, 作曲:徳久広司)
1982年10月25日: 可哀そうでしょ私 (作詞:千家和也, 作曲:浜圭介)
1990年8月21日: 横浜ベイブリッジ (作詞:岡田冨美子, 作曲:杉本真人)
1995年12月1日: あゝ社長の涙 (作詞:漣了造, 補作詞:にしかずみ, 作曲:井川裕多加)
2003年4月23日: 残雪の宿 (作詞:高柳三千子, 作曲:花笠薫)
2004年8月25日: 最終北斗 (作詞:高柳三千子, 作曲:徳久広司)
2007年3月10日: 女って馬鹿なのね (作詞作曲:浦部旭)
2008年9月10日: 二人の横浜 (作詞:大橋明, 作曲:山口正光)
2010年10月10日: 昭和の詩 (作詞:にしかずみ, 作曲:藤正樹)
* 2016年10月26日: 新宿恋模様 / デュエット・バージョン with 小川夏輝 (作詞作曲:藤正樹)

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