藤永壮

藤永 壯（ふじなが たけし）について

藤永壮は、1959年に日本の山口県下関市で生まれた歴史学者であり、大阪産業大学で教授を務めています。彼の専門は朝鮮近現代史であり、この分野における研究や著作が豊富です。1984年に京都大学文学部史学科を卒業した後、1991年までには同大学院で現代史学専攻の博士後期課程を修了し、単位取得満期退学しました。以降、1984年から1992年まで教育部の講師を経て、時間と共に助教授、そして2005年には教授に昇進しました。

研究活動と著作

藤永は朝鮮近現代史に関する多数の著書を出版しており、特に「嫌韓流」の批判に焦点を当てていることで知られています。この批判は、彼の数々の執筆活動を通じて展開されています。たとえば、慰安婦問題に関しても積極的な立場を示し、歴史的事実に基づいた発言を行っています。

また、韓国や中国の学者たちと連携し、慰安婦の記録をユネスコの世界記憶遺産に登録するための活動に参加しています。このプロジェクトは、韓国政府の女性家族部によっても支援されており、藤永は国際的なキャンペーンに貢献しています。2014年には上海師範大学で学術会議が開催され、多くの専門家が集まりましたが、そこでも藤永の専門知識と影響力が強調されました。

批判活動

藤永は、「マンガ嫌韓流」の否定においても重要な役割を果たしています。彼は自身の著書『「マンガ嫌韓流」のここがデタラメ』の中で、日清戦争前に朝鮮が中立宣言をした事実はないことや、植民地朝鮮における人口の増加率が約44%であったことなどを一次史料に基づいて説明しています。このような事実を持って、彼は「マンガ嫌韓流」が展開する主張が誤りであることを指摘し、歴史の正確な理解を訴えています。

主な著書

藤永の主な著作には、以下のようなものがあります：

• - 『韓国の民衆歌謡』（ウリ文化研究所、1988年）
• - 『日本の植民地支配』（岩波ブックレット、2001年）
• - 『ナヌムの家歴史館ハンドブック』（柏書房、2002年）
• - 『東アジアの冷戦と国家テロリズム』（御茶の水書房、2004年）
• - 『戦争・暴力と女性3　植民地と戦争責任』（吉川弘文館、2005年）
• - 『岩波講座アジア・太平洋戦争4 帝国の戦争経験』（岩波書店、2006年）
• - 『「マンガ嫌韓流」のここがデタラメ』（コモンズ、2006年）

彼の著作は、日本のみならず国際的に広く読まれており、朝鮮史研究の重要な資料とされています。藤永壮の研究活動と著作は、現代における歴史認識の重要性を強調するものであり、今後も注目されることでしょう。

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