藤沢神奈交バス

概要

藤沢神奈交バス株式会社（ふじさわかなこうバス）は、かつて神奈川県大和市を中心とした地域で路線バス事業を展開していた事業者です。神奈川中央交通株式会社が、より効率的なバス事業運営を目指して設立した地域子会社の一つであり、「神奈交バス」ブランドを冠していました。

同社の特徴として、車体には淡い青色（マリンブルー）がコーポレートカラーとして採用され、自社車両には営業所を示す固有の記号「FK」が付与されていました。

事業内容

2000年の設立以来、藤沢神奈交バスは主に二つの事業を担っていました。

一つは、親会社である神奈川中央交通の路線網のうち、特に茅ヶ崎営業所の藤沢操車所管内や大和営業所管内の採算性が低いとされる路線の運行業務を移管され、地域住民の足としてサービスを提供することでした。

もう一つは、神奈川中央交通本体が運行する一部の幹線路線の運行管理業務を受託することです。これにより、親会社の運行体制を側面から支える役割も果たしていました。

沿革

藤沢神奈交バスの主な沿革は以下の通りです。

2000年12月8日：藤沢神奈交バス株式会社として設立。
2005年4月16日：神奈川中央交通藤沢営業所のバス運行業務全体を包括的に委託される形となりました。
2014年9月24日：藤沢営業所が運行を担当する全路線において、バスへの乗降方法が車両の中央ドアから乗り前方ドアから降りる「中乗り・前降り」方式に統一され、同時に運賃の支払いは降車時に行う「後払い」方式に変更されました。
2016年3月22日：大和営業所が運行を担当する全路線においても、藤沢営業所と同様に「中乗り・前降り」、運賃「後払い」方式に統一されました。
2017年1月1日：神奈川中央交通グループ全体で行われた大規模な会社再編に伴い、相模神奈交バス株式会社（一部営業所を除く）と合併し、新たに「神奈川中央交通東株式会社」へと社名が変更されました。これにより、藤沢神奈交バスとしての法人格は消滅し、その事業は神奈川中央交通東に引き継がれました。

本社および営業所

藤沢神奈交バスの本社は、神奈川県大和市下鶴間2775-1に位置し、これは神奈川中央交通大和営業所の敷地内に設けられていました。

営業所は主に二箇所を運営していました。

藤沢営業所：神奈川県藤沢市辻堂新町三丁目4-23にあり、神奈川中央交通茅ヶ崎営業所の藤沢操車所としての機能も担っていました。
大和営業所：本社と同じく神奈川県大和市下鶴間2775-1に置かれ、神奈川中央交通大和営業所と同一敷地内に立地していました。

これらの営業所が、管轄地域の路線バス運行の拠点となっていました。

車両

同社が保有していた車両は、2016年当時の情報によると、大型、中型、小型の各サイズがありました。

大型車：三菱ふそう製のエアロスターが8台在籍しており、これらは主に大和営業所に配置されていました。
中型車：いすゞ製のエルガミオが3台と、三菱ふそう製のエアロミディMKが1台の合計4台が導入されていました。これら中型車は藤沢営業所に配置されていました。
小型車：三菱ふそう製のエアロミディMEが2台在籍しており、こちらも藤沢営業所に配置されていました。

合計で14台の車両が、各営業所の担当する路線で活躍していました。

再編による事業の終焉

藤沢神奈交バスは、神奈川中央交通グループの経営効率化および体制強化を目的とした地域子会社の再編プロセスの中で、その役割を終えました。2017年1月1日に実施された再編により、同社は相模神奈交バスと共に神奈川中央交通東株式会社へ吸収合併される形で消滅しました。これにより、藤沢神奈交バスがこれまで担ってきた路線の運行や業務は、新設された神奈川中央交通東が継承し、現在に至っています。

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