藤河内渓谷

藤河内渓谷

大分県佐伯市宇目、旧宇目町の桑原川上流に位置する藤河内渓谷は、祖母・傾山系の夏木山を源とする北川の支流、桑原川によって形成された渓谷です。その源流である観音滝から、藤河内の集落までの約8kmにわたり、美しい渓谷美が広がっています。この渓谷は祖母傾国定公園内に位置し、1959年（昭和34年）3月20日に大分県の名勝に指定されました。

渓谷の特徴

藤河内渓谷は、花崗岩で形成されており、長年の浸食作用によって、さまざまな地形が見られます。特に、無数の甌穴が発達しており、その形状は、臼状、渦巻状、瓢箪状、流線状など多岐にわたります。これらの甌穴が織りなす景観は、自然の造形美を感じさせます。また、小さな滝も随所に見られ、変化に富んだ景観を楽しめます。

春から夏にかけては、新緑が美しく、秋には紅葉の名所として知られています。四季折々の自然の美しさを満喫できる場所として、多くの人々が訪れます。

渓谷内にはキャンプ場も開設されており、自然の中でリフレッシュすることができます。夏には涼を求めて、家族連れやグループで訪れる人々で賑わいます。

観音滝

桑原川の水源となる観音滝は、落差73.4m、幅約2mの大きな滝で、その姿は圧巻です。滝の岩肌には花崗岩の鱗状の節理が見られ、自然の力強さを感じさせます。観音滝へは、徒歩で約1時間を要しますが、その道のりもまた、自然を満喫できるハイキングコースとなっています。

周辺情報

藤河内渓谷の近く、宇目木浦地区には、2002年に木浦名水館が開館しました。木浦地区は、かつて国内有数の銀山として栄えた宇目木浦鉱山があった場所です。また、大分を代表する民謡である「宇目の唄げんか」が生まれた地としても知られています。

木浦名水館では、木浦鉱山で採掘された鉱石などが展示されています。また、大分県名水百選に選定された蓮光寺の湧水を利用したヒノキ風呂に入浴することも可能です。歴史と自然の両方を感じられる場所として、多くの観光客に人気があります。

藤河内渓谷は、自然の美しさと歴史が共存する魅力的な場所です。訪れる人々を魅了する、美しい渓谷美をぜひ体験してみてください。

外部リンク

大分県自然ガイドブック - 藤河内渓谷周辺地域の自然

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