藤波康忠

藤波康忠（ふじなみ やすただ）は、室町時代後期の公家であり、神宮祭主を務めた人物です。

生涯

藤波康忠は、神宮祭主であった藤波朝忠の子として生まれました。天文9年（1540年）に叙爵を受け、公家としての道を歩み始めます。元亀元年11月、父・朝忠が亡くなると、祭主職を引き継ぐことになります。しかし、正式な補任がない中で、禰宜（ねぎ）である松木房彦の死去に伴う後任推挙をめぐって争いが発生しました（伊勢神宮禰宜職相論）。

この影響から、康忠の祭主補任は遅れることとなり、元亀3年2月1日（1572年3月14日）にようやく祭主に補任されました。しかし、その年の5月24日、公卿に進むことなく、41歳という若さで亡くなりました。

官歴

天文9年2月18日（1540年3月26日）：従五位下
天文17年1月20日（1548年2月29日）：従五位上
天文17年2月21日（1548年3月30日）：神祇権大副
弘治2年3月11日（1556年4月20日）：正五位下
永禄2年2月9日（1559年3月17日）：従四位下
永禄9年11月9日（1566年12月20日）：従四位上

系譜

父：藤波朝忠
妻：不詳
子：藤波慶忠

まとめ

藤波康忠は、室町時代後期に神宮祭主を務めた公家であり、若くして亡くなったものの、その短い生涯の中で官位を重ねました。父の跡を継ぎ祭主となりましたが、禰宜職をめぐる争いに巻き込まれ、補任が遅れるなど、苦労もあったようです。

参考文献

宝月圭吾・岩沢愿彦監修『系図纂要』第十三冊、名著出版、1974年

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