藤波朝忠

藤波朝忠（ふじなみ ともただ）は、室町時代に活躍した公卿であり、神祇大副、そして伊勢神宮の祭主という重要な役職を歴任しました。

生涯

明応7年（1498年）に、神宮祭主であった藤波伊忠の子として生を受けました。大永2年9月2日（1522年9月21日）には、父である伊忠から神宮祭主の職を譲り受け、その重責を担うこととなります。その後、天文5年（1536年）には従三位に叙せられ、公卿としての地位を確立しました。さらに天文6年（1537年）には、神祇大副に任じられ、朝廷における神祇祭祀の重要な役割を担いました。元亀2年（1570年）11月に73歳でこの世を去りました。

官歴

藤波朝忠は、以下の官位を歴任しています。

大永4年2月20日（1524年7月16日）：正五位下
天文4年6月15日（1535年7月15日）：正四位下
天文5年4月1日（1536年4月21日）：従三位
天文12年2月9日（1543年3月14日）：正三位
天文17年1月24日（1548年3月4日）：従二位

これらの官位からも、彼が朝廷において重要な地位を占めていたことが分かります。

系譜

藤波朝忠の系譜は以下の通りです。

父：藤波伊忠
母：不詳
兄弟：藤波国忠
妻：不詳
子：藤波康忠

父である藤波伊忠もまた神宮祭主であり、その家系は代々神祇に関わる重要な役割を担ってきたことがうかがえます。子である藤波康忠もまた、父の後を継いで活躍したと考えられますが、詳細については今後の研究が待たれます。

人物

藤波朝忠は、室町時代という激動の時代に、神宮祭主という重要な職務を長きにわたって務め上げました。また、公卿としても朝廷に貢献し、その存在感を示しました。彼の生涯は、当時の社会情勢や文化、そして神祇信仰のあり方を理解する上で、貴重な手がかりとなります。

参考文献

『公卿補任』第三篇（『新訂増補国史大系』所収、吉川弘文館、1974年）
『歴名土代』（湯川敏治編、八木書店、1996年）

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