藤田五郎 (ドイツ語学者)

藤田五郎：ドイツ語学の泰斗、その生涯と学問

藤田五郎（1911年7月8日 - 1997年1月31日）は、日本のドイツ語学者であり、東京外国語大学名誉教授として、その名を知られています。彼の業績は、ドイツ語教育と研究に多大な貢献をしました。

生涯

藤田五郎は東京都に生まれました。1931年に武蔵高等学校を卒業後、東京帝国大学法学部に入学。その後、文学部に転じ、1935年に独文科を卒業、大学院へと進みました。学究生活を送る傍ら、副手として研究活動を支え、1936年には母校である武蔵高校の教授に就任しました。その後、1938年に広島高等学校教授、1942年には東京外国語学校（後の東京外国語大学）教授となり、助教授を経て1956年に教授に昇任しました。1973年に東京外国語大学を定年退官後は、麗澤大学教授として教鞭を執り、1982年に退職しました。

業績

藤田五郎は、ドイツ語教育と研究において、数多くの著書を著しました。彼の著作は、学習者から研究者まで、幅広い層に支持され、ドイツ語教育の発展に大きく貢献しました。

著書

藤田五郎は、数多くの単著と共編著を出版しています。以下に代表的な著書をいくつか紹介します。

単著

新独文解釈 熟語本位（第三書房, 1951）
ドイツ語の要点（郁文堂出版, 1951）
新和文独訳（第三書房, 1951）
藤田ドイツ語入門（第三書房, 1952）
ドイツ熟語精髄（第三書房, 1955）
和文独訳の研究（第三書房, 1956）
テーブル式ドイツ語便覧（評論社, 1956）
作文（白水社, 1958）
簡易独文解釈（三修社, 1958）
助動詞（三修社, 1958）
ドイツとはこんなところ フォルクス・ワーゲンを駆って4万キロ（三修社, 1963）
ドイツ語のすすめ（講談社現代新書, 1964）
新ドイツ語講話（郁文堂, 1965）
ドイツ文法の入門（朝日出版社, 1966）
藤田・最新ドイツ語入門講義 正続（三修社, 1967-1968）
500語でできるドイツ語会話（評論社, 1968）
詞論中心独作文（郁文堂出版, 1968）
表現をやさしくするドイツ語基礎単語の使いかた（評論社, 1969）
明解ドイツ語（朝日出版社, 1970）
ドイツ語の新しい学び方（講談社現代新書, 1971）
藤田・初級ドイツ語（三修社, 1971）
現代ドイツ文典（郁文堂, 1972）
展開値中心新々和文独訳（第三書房, 1975）
ドイツ語65日 初歩から中級まで（講談社, 1975）
夏休みのドイツ語（朝日出版社, 1976）
英語からドイツ語へ（第三書房, 1977）
やさしくできるドイツ文法（朝日出版社, 1979）
ミュンヘンの五月（朝日出版社, 1990）

共編著

独逸文芸読本（南山堂書店, 1939）
ドイツ關連語集（三修社, 1952）
医家独文解釈法（中央医書出版社, 1954）
ローレル独単語熟語集（修学館, 1956）
入門ドイツ会話（南江堂, 1957）
新ドイツ語コース（三修社, 1957）
医科独文の解釈（中央医書出版社, 1957）
初級ドイツ語（河出書房新社, 1958）
詳解基礎ドイツ語（東京教学社, 1959）
続・入門ドイツ会話（南江堂, 1960）
新和英独医語小辞典（医学書院, 1963）
ジェム独和・和独辞典（三省堂, 1972）

翻訳

皇帝の絵姿（弘文堂書房, 1940）
硝子の驚異（天然社, 1942）
アニリン（天然社, 1942）
亜鉛 小説（天然社, 1943）
金属 小説（天然社, 1943）
ツエッペリン（天然社, 1944）
ギリシア・ローマ神話（みすず書房, 1946）
見捨てられ見失われ呪われ（大日本雄弁会講談社, 1954）
西独のマネジメント（布井書房, 1966）
経営者の24時間 西独16社の繁栄の秘密（布井書房, 1970）

これらの著書は、ドイツ語学習者にとって貴重な資料であり、彼の教育者としての才能を示すものです。

記念論集

藤田五郎の古希を記念して、門下生や同僚によって論文集が編纂されました。

* ことだまの万華鏡 藤田五郎先生古稀記念論文集（広池学園出版部, 1983）

まとめ

藤田五郎は、日本のドイツ語教育界において、多大な功績を残しました。彼の著書は、今もなお多くの学習者に利用され、ドイツ語教育の発展に貢献しています。その学問に対する情熱と教育への献身は、後世に語り継がれることでしょう。

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