藤田卯一郎

藤田卯一郎の生涯と松葉会の歴史

藤田卯一郎（ふじた ういちろう、1906年9月20日 - 1968年7月8日）は、日本のヤクザ、そして右翼活動家として知られています。彼は茨城県水戸市に生まれ、旧制水戸中学校を卒業後、東京に上京し、海軍中将の書生をしてキャリアをスタートさせました。その後、関根組に参加し、ヤクザの世界に足を踏み入れました。

早期の経歴と関根組との関わり

藤田は1932年に関根組の組長・関根賢の子分として活動を始めました。終戦後、彼は弟分の益戸克己を介して佐藤栄助を舎弟とし、関根組内での地位を確立していきます。しかし、1947年に関根組がGHQの手入れを受け、組の幹部が逮捕される中、藤田は関根賢の指示で組を運営し、後に独立して「藤田組」を結成しました。

松葉会の誕生

1949年、藤田組はGHQによる団体等規正令により解散を命じられ、その後、関根組も同様に解散させられます。しかし、1953年に藤田は旧関根組と旧藤田組を統合し、松葉会を設立しました。会の名前は関根賢の親分である河合徳三郎の家紋「松葉」に由来しています。藤田は初代会長に就任し、組織の運営に当たりました。

政治活動と社会的影響

松葉会設立後、藤田は政治的な活動にも力を注ぎました。1957年には松葉会を「政治結社」として届け出、政治活動を本格化させます。彼は様々なデモに参加し、安保改定への反対運動などを展開しました。1960年には、羽田空港で安保改定調印に抗議し、200人の会員を動員するなど、松葉会の存在感を示しました。また、毎日新聞社への襲撃事件や、安保改定阻止行動など、警察との衝突も多く見られました。

最晩年と組織の変化

藤田は1965年に逮捕され、その後松葉会を解散宣言します。1968年、東京都新宿区のホテルで急死し、享年61歳となりました。藤田卯一郎の死は、松葉会の歴史における一つの大きな転機であり、彼の興した組織は以後どう変わっていくのか、注目されています。

まとめ

藤田卯一郎は、日本のヤクザ界における重要な人物でした。彼の生涯を通じて、松葉会がどのように形成され、その存在が社会にどのような影響を及ぼしたのかは、今なお多くの人に語り継がれています。彼の行動や意思決定は、当時の社会情勢や政治背景と密接に関連しており、画期的な歴史を刻んでいます。藤田の人生と松葉会の歩みは、今後もさらなる研究と検証が求められるテーマです。

もう一度検索