藤間勘十郎 (8世)

八世 藤間 勘十郎について

八世藤間勘十郎（はっせいふじまかんじゅうろう、1980年3月13日生まれ）は、日本舞踊家として名高く、藤間流の宗家を継承しています。本名は藤間良（ふじまりょう）です。彼は長い間、多様な芸術活動に身を捧げており、歌舞伎の振付師としての顔も持っています。若手俳優への舞踊指導を行うほか、苫船（とまぶね）という名前でも作詞や作曲、さらには脚本も手がけています。子供の頃には藤間 遼太（ふじま りょうた）の名で子役としても活動を経験しました。

略歴と経歴

八世藤間勘十郎の舞台人生は、1983年の「七世宗家継承の会」にさかのぼります。この会で彼は藤間凌（リョウ）の名のもと、長唄『雨の五郎』で初めて舞台に立ちました。1986年には「第一回藤間康詞リサイタル」において藤間資真（すけまさ）として出演し、さらなる活動を通じて自身の存在感を高めていきました。

1987年には人気のNHK大河ドラマ「独眼竜政宗」に子役として出演し、伊達政宗の幼少期を演じました。この役は日本中で話題となり、「梵天丸もかくありたい」というセリフは一世を風靡しました。1990年には「宗家藤間流襲名舞踊会」で二世・藤間康詞（みちのり）を襲名し、1998年には「第一回藤間康詞の会」を主宰しました。

2002年には八世宗家・藤間勘十郎としての襲名舞踊会が行われ、2003年には芸術選奨文部科学大臣賞新人賞を受賞するなど、その才能を広く認められました。続いて2004年には、「第一回苫舟の会」を主宰。さらに、2007年にはフランスのオペラ座に振付師として参加する機会を得ました。

彼の活動は日本国内の舞台だけにとどまらず、2016年にはバーチャルアイドル初音ミクとのコラボレーションを行い、インターネット文化との接点も持つようになりました。2020年には三代目尾上菊之丞とのオンラインサロンを立ち上げ、デジタル時代に即した新しい形の舞踊教育にも積極的に取り組んでいます。

テレビ出演と家族

テレビにおいても八世藤間勘十郎は数多くの番組に出演しています。NHKの「芸能花舞台」や「トップランナー」、さらに「情熱大陸」にも登場し、その活動を広く紹介してきました。

家族面では、父は観世流能楽師である五十六世梅若六郎であり、その母は日本舞踊の宗家・藤間流三世藤間勘祖の女系です。2011年には北海道日本ハムファイターズのオーナー・大社啓二の娘と婚約を発表。2020年には2人の息子が誕生したことが公表されています。

表彰と評価

八世藤間勘十郎は、その功績が評価され、2003年には「藤間会」での演技により芸術選奨文部科学大臣賞新人賞を受賞しました。彼の舞踊に対する情熱とフィロソフィは、彼の作品や教育活動に深く反映されています。彼の成長や挑戦を通じて、今後も日本舞踊界における重要な位置を占め続けることでしょう。

まとめ

八世藤間勘十郎は、日本の伝統文化を現代に伝える架け橋として、舞踊家だけでなく振付師、作詞・作曲家としても多角的に活躍しています。伝統を重んじつつも、新しい形としての舞台表現を追求し続ける彼の姿勢に、多くの人々が魅了されています。

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