虞集

虞集の生涯と功績

虞集（ぐ しゅう、1272年3月21日 - 1348年6月20日）は、中国元代に活躍した著名な儒学者であり、詩人です。彼は南宋の丞相、虞允文の五世の孫で、字は伯生、号は道園、また邵庵先生とも称されました。彼は、柳貫、黄溍、掲傒斯と並び「儒林四傑」の一人とされています。また、楊載、掲傒斯、范梈と共に元詩の四大家と呼ばれ、その詩才も広く認識されています。

幼少期と学問の始まり

虞集の出生地は陵州仁寿県ですが、彼は父の虞汲と共に撫州崇仁県に住んでいました。彼の母、楊氏は教育に熱心で、虞集が3歳の頃から『論語』や『孟子』、『左伝』を教えました。この教育が彼の学問の基礎を築き、父の友人である呉澄からも学びました。

職業人生の始まり

大徳元年（1297年）、虞集は初めて燕京に行き、大都路の儒学教授に任命されました。彼はその性格の剛直さからすぐに名を知られるようになり、後に秘書少監や太常博士に昇進します。丞相のパイジュと知り合い、儒者を官吏として任用するよう提案したこともありました。

仁宗の治世には集賢修撰として活動し、文宗が即位すると皇帝に対して講義を行う経筵をも兼任しました。また、奎章閣侍書学士にも任じられました。関中での飢饉に際しては、上疏を行ったものの却下されました。さらに、『唐会要』や『宋会要』にならって『経世大典』の編纂事業に取り組むことになりましたが、彼が『祖宗実録』を編纂する際に『元朝秘史』の閲覧を願い出たことは拒否されました。

政治での功績と困難

皇帝の顧問として多くの意見を求められ、その中には政務に対する貴重な諫言もありましたが、彼の剛直さが災いし、政敵も多くなりました。その結果、頻繁に官職を辞めさせられる事態が続きました。最終的に順帝が即位した後、虞集は病気を理由に引退し、故郷へと帰りました。

晩年と死去

至正8年（1348年）5月、虞集は享年77歳でこの世を去りました。彼の死後、仁寿郡公に追封され、文靖の諡号が贈られました。詩人としての虞集の優れた点は、唐詩のスタイルを模倣しつつ、新しい素材や現実を取り込む能力にありました。

主要な著作

虞集は多くの著作を残しており、その中には『道園学古録』50巻、『道園遺稿』15巻、さらには『平猺記』が含まれています。彼の作品は、後世の学者や詩人に多大な影響を与えました。彼の詩は整然とした構造を持ち、唐詩を意識したものが多いですが、同時に新しい表現を追求する姿勢も見られます。

彼の生涯は、学問と政策、そして詩の世界での重要な足跡を残し、元代の文化に大きな影響を与えました。

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