蛇娘と白髪魔

映画『蛇娘と白髪魔』の概要

『蛇娘と白髪魔』（へびむすめとはくはつま）は、1968年12月14日に劇場公開された日本の怪奇映画です。監督は湯浅憲明が務め、大映製作の作品として知られています。本作は、楳図かずおの漫画作品を基にした物語で、上映時間は82分、モノクロで大映スコープの形式が用いられています。この映画は、大映京都撮影所の作品『妖怪大戦争』とともに二本立てで公開されました。

あらすじ

物語の中心となるのは、孤児院「めぐみ園」で育った少女、小百合です。彼女は実は裕福な家の娘であり、赤ん坊の時に取り違えられた結果、孤児として育てられることになりました。真の家族との生活が始まると、彼女は同じ時期に育てられた少女タマミと出会います。タマミは醜い容姿をしており、小百合と入れ替わる形で南条家で生活していました。2人の運命が交錯する中で、恐怖と謎が絡んでいきます。

概要

この映画は、楳図かずおが1960年代に書いた恐怖漫画、特に『赤んぼ少女』や『うろこの顔』、『紅グモ』を基にして制作されたもので、いわばその集大成ともいえる作品です。制作の背景には、大映東京撮影所が新たな路線を模索していた時期があり、『ガメラシリーズ』に次ぐ新たな挑戦として位置づけられています。その後の予定作には「猫目小僧」があったものの、実現はしませんでした。

登場キャラクター

• - 南条小百合: 主人公である小百合は、孤児院で育てられた少女です。彼女は本来の家族の存在を知り、真実を求めて新しい生活を始めます。
• - 南条タマミ: 小百合とは取り違えられて育った少女。自らを蛇と信じ込む異様な存在ですが、実際は彼女の夢の中でのみ恐ろしい姿を表現します。
• - 白髪魔: 鬼面を持った長い白髪の妖婆。タマミをその気にさせ、小百合を排除しようと画策します。正体は南条家の家政婦です。

スタッフ・キャスト

映画の企画は仲野和正が手掛け、脚本は長谷川公之が執筆しました。主要キャストには松井八知栄が小百合役、高橋まゆみがタマミ役を演じています。また、平泉征と浜田ゆう子が主要な登場人物として名を連ねています。さらに、タクシーの運転手役として楳図かずお本人も出演している点がユニークです。

漫画化情報

この映画は後に楳図かずおによって同名の漫画『蛇娘と白髪魔』としても再創作され、主婦と生活社の「ティーン・ルック」に連載されました。

まとめ

『蛇娘と白髪魔』は、少女の成長と恐怖の要素が絡み合う物語であり、楳図かずおの漫画の持つ独特の世界観が映画にも反映されています。日本の怪奇映画の一端であり、視覚的にも楽しめる作品として時代を超えて語り継がれています。

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