蛇窪信号場

蛇窪信号場の概要

蛇窪信号場（へびくぼしんごうじょう）は、かつて東京都品川区に位置していた日本国有鉄道の信号場です。この信号場は、東海道本線（品鶴線）と山手貨物線（大崎支線）が交わる重要なポイントとして機能していました。現在でもこの設備は大崎駅構内で使用されており、運転上必要な情報としてダイヤグラムや行路表に記載されています。実際の信号場としての役割はないものの、鉄道運行において重要な意味を持っています。

歴史の歩み

蛇窪信号場は、1934年（昭和9年）12月1日の大崎支線開通時に設立されました。その後、1965年（昭和40年）には廃止され、大崎駅の構内に統合されました。設立当初から今に至るまで、信号場としての役割は大きく変わっていませんが、形成された歴史には多くの興味深いエピソードがあります。

構造について

この信号場は、品川駅から西大井駅に向かう約3.1kmの地点、旧目黒川信号場からは1.8km西に位置しています。信号場は、品鶴線から西大井側を眺めると、横須賀線などが走る線路と、湘南新宿ラインなどが利用する大崎支線が交差する形で合流しています。この二つの線路はどちらも複線ですが、この交差は平面上で行われるため、相互に影響を与えあいます。このため、西大井から大崎方面へ向かう列車と、品川から西大井方面へ進む列車は、同時には通行できない仕組みです。

こうした問題を解消するためには現在の平面交差を立体交差にする必要がありますが、近接する大井町線の高架や都道420号のアンダーパスの影響により、工事は難しい状況です。そのため、品鶴線と大崎支線の交差地点に短絡線を新たに設ける案も検討されています。

周辺環境と交通体系

蛇窪信号場の上空には、東急大井町線が通じており、その近くには下神明駅も存在します。この位置取りは、地域交通にも大きな影響を与えています。

特殊な運用方法

かつて蒸気機関車が用いられていた時代には、近隣に転車台が存在しなかったため、蒸気機関車の向きを変えるために特別な運用が行われていました。東京駅から出発した列車は、東海道本線を経て品川駅に到着後、山手線を使って大崎駅に戻り、その後、蛇窪信号場で折り返す仕組みになっていました。この方法での方向転換は「蛇窪廻し」として知られています。

以前は、信号場の南側に渡り線が存在し、折り返し運転も可能でしたが、現在はその渡り線が撤去されたため、折り返し運行ができなくなっています。

隣接施設と鉄道網

蛇窪信号場の隣には、東日本旅客鉄道（JR東日本）が運営する東海道本線（品鶴線）があり、周辺には品川駅と西大井駅も位置しています。また、山手線（大崎支線）も隣接しており、これにより非常に重要な交通のジャンクションとなっています。

このように、蛇窪信号場は歴史的にも、現在においても鉄道運行に欠かせない役割を果たしている場所です。

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