蟹挟

蟹挟（かにばさみ）についての詳細

蟹挟（かにばさみ）は、柔道の技法の一つで、主に立った相手に対して仕掛けられる横捨身技です。この技は多くの大会では禁止されていますが、サンボや総合格闘技、プロレスリングでも使用されており、脚関節技を狙う際に便利です。別名を挟返（はさみがえし）とし、英語ではシザースローやシーザーテイクダウンと呼ばれています。講道館や国際[[柔道連盟]]（IJF）では正式にこの技が認識されています。

概要

蟹挟は、相手の後襟や袖を掴み、両脚で相手を挟み込むようにして後方に倒します。この技は比較的簡単に習得できるため、多くの選手が使用しています。特に、蟹挟は大車からの連携技として有効であり、相手が避けようとしても決めることができるため、その効果は高いです。

柔道における歴史

蟹挟の名手として古くは田代文衛氏が知られ、近年では金野潤氏がこの技を得意としていました。1991年の全日本[[柔道選手権大会]]では、金野氏が蟹挟を使って対戦相手を怪我させる一幕もあり、この技の危険性が注目されました。その中でも、蟹挟合戦と称された金野氏と吉田秀彦氏の対決が特に話題を呼びました。

その他の格闘技での使用

サンボや総合格闘技では、蟹挟は主にテイクダウンを狙い、その後の足関節技へ繋ぐために利用されます。サンボにおいては、2015年から2021年の間に、膝や脛にかかる蟹挟が禁止されました。プロレスリングでは、相手を後方だけでなく前方に倒す際にも使われるほか、さまざまな応用が効く技として活躍しています。

蟹挟における変化技

蟹挟には「片足蟹挟」というバリエーションもあり、これは立った相手に対して片方の脚で股間に入り込むようにして挟む技です。特に試合においても、この技は効果的です。

負傷例と禁止の経緯

蟹挟は負傷のリスクが高いため、長い間その是非が議論されてきました。1980年には全日本選抜柔道大会で、遠藤氏が蟹挟で相手を骨折させ、大きな反響を呼びました。これをきっかけに、負傷は事実上「負け」とみなされるべきだとの意見が生まれ、技の是非や禁止に関しては多くの人々が意見を交わしました。

禁止に賛成する意見としては、現在のビニール畳が滑りやすく、技が危険であることや、負傷を引き起こす手段として使われる可能性が指摘されました。一方、反対意見では、合理的に掛ければ負傷は避けられ、伝統を失うべきではないとの見解が示されました。結局、少年男子の部では1985年から禁止され、成年男子はその後も各大会の主催者の判断に任されることになりました。

言葉としての使われ方

蟹挟は正式な技名ではありませんが、両脚で物を挟む行為として「カニバサミ」と呼ばれることがあります。これは、サッカーのプレーや吉本興業のギャグの中でも使われる例があり、特に2002年W杯でメキシコの選手がボールを挟むプレーを見せて話題になりました。

このように、蟹挟は柔道やその他の格闘技において重要な技であり、その技術や歴史を理解することは選手にとって非常に有意義です。

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