蠢動 -しゅんどう-

映画『蠢動－しゅんどう－』の紹介

『蠢動－しゅんどう－』は、2013年10月19日に公開され、日本の自主映画界で初めて16mmフィルムを用いた時代劇です。この作品は、82年に製作された映画『蠢動』を原案とし、監督の三上康雄が新たに創作しました。舞台は享保年間の山陰・因幡藩で、物語は前半においてそれぞれの正義を貫こうとする人々の群像劇を描き、後半では雪原を舞台にした斬り合いの大殺陣が展開されます。

監督は、元の作品とは異なり、エッセンスを受け継いだ全くの新作であると語っています。具体的には、「走る」「斬る」、そして「雪の中」というテーマを基にした別の物語だと位置づけています。映画は全国85館で公開され、ハワイ国際映画祭やダラス・アジアン映画祭にも出品され、多くの観客に感動を与えました。タイトルに含まれる「－しゅんどう－」は、作品の一部として特別に設けられており、重要な意味を持っています。

あらすじ

物語は享保の大飢饉から数年後の因幡藩を背景に進行します。藩に幕府から剣術指南が派遣され、城代家老たちはその活動を監視することを決定します。しかし、不審な動きが明らかになり、対応に苦しむ中、幕府からの使者が向かっているとの報せが入ります。これを受けて、家老たちは剣術指南の暗殺を決断し、原田に命じて剣術指南を排除する手筈を整えます。

飲酒後に帰宅中の剣術指南を暗殺させ、その犯行の責任を他藩での修行の夢を持つ藩士・香川に押し付ける計画が進行します。香川は、何も知らずに他藩への剣術修行のため出立することになりますが、暗殺者たちに追われる羽目になります。香川の親友であり、香川の姉と婚約していた木村は、福恩寺で香川と出会い、彼を問いただすものの、不幸にもその場で争いに巻き込まれ命を落とします。

香川は二人の討手を斬り、その場から逃走しますが、最終的には討手の最後の一人・原田が追い付いてきます。雪原での激しい戦いの中で、香川は討手全員を斬り倒しますが、原田との直接対決が待ち受けています。夜、城に戻った原田は、香川を討ち取ったという報告を城代家老に行い、これにより藩への疑念が消え去ることになります。しかし、その頃雪原では、香川が再び立ち上がり、叫び声を上げるシーンが印象的に描かれます。

キャスト

映画には平岳大が原田大八郎役、脇崎智史が香川廣樹役、そのほかにも多くの実力派俳優たちが出演しています。また、スタッフ陣もプロフェッショナルであり、監督・脚本・編集には三上康雄が名を連ねています。

『蠢動－しゅんどう－』は、剣術と友情、そして裏切りというテーマを深く掘り下げた作品であり、観客に緊迫感と爽快感を与えるストーリー展開が魅力です。

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