血税一揆

血税一揆

血税一揆（けつぜいいっき）とは、明治時代に発生した農民による抗議活動で、主に1873年に施行された徴兵令に威嚇され、反発したことから始まりました。この一揆は、新政に対する抗議の一環であり、称して徴兵令反対一揆とも呼ばれています。

概要

血税一揆は1873年の春に渡会県牟婁郡で始まり、その後も1874年の高知県幡多郡での蜂起を含む複数の事件が確認されています。合計で16件から19件に及ぶ一揆が西日本に集中して発生しました。特に美作地方、鳥取県、讃岐などでは、その激しさから特に注目を集めました。

この一揆の背景には、徴兵令施行後の農民の不安があり、西日本では徴兵を免れる人口が少なかったことが要因とされています。農民たちは生存の不安と新政への不満から、次第に暴動に発展しました。

主な一揆の事例

美作地方の一揆

美作地方では、1873年5月26日に発生した美作騒擾が特に有名です。この一揆では、北条県において筆保卯太郎らが中心となり、強い抵抗を示しました。彼らは「徴兵令反対」や「学校入費反対」などのスローガンを掲げ、官公庁や学校、一部の民家を攻撃しました。その激しい抗議行動では432軒が被害に遭い、多くの人命が失われる事態となりました。最終的に、政府側の軍隊が介入し、この騒動は鎮圧されることになりました。

会見血税一揆

鳥取県で発生した会見血税一揆は1873年6月19日から6月26日にかけて行われました。被害は官員宅や学校に及び、村人たちは戸長宅を襲撃し、激しい抵抗を見せました。この一揆の結果、1万人以上の農民が処分されるという厳しい結果をもたらしました。

西讃竹槍騒動

また、名東県で起こった西讃竹槍騒動は、6月27日から7月6日まで続き、約599箇所の建物が破壊され、多くの死傷者が出ました。農民たちは新政への不満を募らせ、徴兵令だけでなく、学校や地租の問題に対しても激しく抵抗しました。

血税の概念

血税とは、フランス語の「impôt du sang」の訳語で、徴兵令に伴う税負担を意味します。具体的には、「生き血」を求められているという恐れや誤解から、農民たちの間に不安が広がりました。このような誤解が一揆の引き金となった可能性も指摘されています。

背景と影響

この一揆が発生した背景には、地租改正や凶作などの様々な社会的な要因が複雑に絡み合っています。農民は重税や徴兵の圧力によって生活が脅かされていたため、新政に対する強い不満を抱いていました。

血税一揆は新政の中でも特に重要な反乱の一つであり、この事件を通じて農民が権利を主張しようとする姿が見受けられます。一揆の結果、新政が農民との関係を見直す契機をもたらしたことは、後の日本の歴史にも影響を与えました。

このように、血税一揆は単なる農民の抗議にとどまらず、当時の社会情勢や新政に対する反発が色濃く反映された重要な出来事であったことが理解されます。

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