北条県

北条県について

北条県（ほくじょうけん）は、1871年（明治4年）に美作国（みまさかのくに）を管轄するために設置された県です。現在の岡山県東北部にあたる地域を統治していました。

北条県の成立と廃止

1871年（明治4年）、廃藩置県により、美作国内の津山県、鶴田県、真島県などが統合され、新たに北条県が設置されました。県庁は、かつて津山県の県庁があった西北条郡津山（現在の津山市）の津山城内に置かれました。初代参事（知事）には、鹿児島藩出身で陸軍少佐の淵辺高照が任命されましたが、1873年（明治6年）に陸軍復帰のため退官。その後、小野立誠が2代目の参事を務めました。

しかし、北条県は1876年（明治9年）に、すでに小田県と合併していた岡山県に統合され、わずか5年ほどで廃止されました。

血税一揆

北条県時代には、1873年（明治6年）に大規模な農民一揆である血税一揆が発生しました。この一揆は、西西条郡貞永寺村から県内全域に拡大し、大きな被害と多数の死者を出す事態となりました。政府の鎮圧によって一揆は収束しましたが、多数の逮捕者と死刑者がでました。

県庁舎

北条県庁として使用されていた建物の一部は、現在も津山市内に残っています。具体的には、津山市西寺町にある成道寺の門は、北条県庁（津山藩庁・津山県庁）で使用されていたものが移築されたものです。

年表

1871年（明治4年）11月15日：第1次府県統合により、津山県、鶴田県、真島県が統合され、美作国に北条県が発足。県庁は津山城内に設置。
1872年（明治5年）1月25日：小豆島の飛地を香川県に移管。
1876年（明治9年）4月18日：第2次府県統合により岡山県に合併。同日、北条県は廃止。

管轄地域

美作国一円

歴代知事

1871年（明治4年）11月15日 - 1873年（明治6年）5月29日：参事・淵辺高照（前陸軍少佐）
1873年（明治6年）5月29日 - 1873年（明治6年）7月7日：不在
1873年（明治6年）7月7日 - 1875年（明治8年）7月19日：参事・小野立誠（前北条県権参事、元大野藩士とされる）
1875年（明治8年）7月19日 - 1876年（明治9年）4月18日：権令・小野立誠（前北条県参事）

関連項目

津山藩
岡山県


北条県は短命な県でしたが、その歴史は、明治初期の地方行政の変遷を理解する上で重要な要素となっています。

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