行方郡 (茨城県)

行方郡（なめがたぐん）について

行方郡は、茨城県の南部に位置していた郡で、かつては「鹿行地域」として知られていました。平成の時代の大合併により、その歴史に終止符を打ちましたが、この地域には古代からの興味深い歴史が存在します。

古代の成立

行方郡の成立に関する記録は、『常陸国風土記』にみられます。白雉4年（653年）、茨城国造の小乙下壬生連麿や那珂国造の大建壬生直夫子が中心となり、地域を分割して700戸を新たに区分し、郡家を設置したとされています。これにより、行方郡が形成されることとなりました。

式内社

日本の古代において、地域ごとに神社が設立され、信仰の中心となりました。行方郡も、いくつかの式内社が存在しました。『延喜式』神名帳には、これらの神社の名前が記載されており、地域の歴史や文化を知る上で貴重な資料となっています。

明治維新と郡域の確定

1878年（明治11年）には行政区画として正式に設立され、当時の郡域は現在の潮来市、行方市の全域、及び鉾田市の一部を含んでいました。この当時の行方郡は、8つの村を含む81村から成り立っており、古くからの伝統や文化が息づいていました。

近代化と行政の変遷

明治2年からの一連の政策変更では、郡の管理が地域ごとに見直され、次第に他の地域と統合が進みます。特に、1871年の廃藩置県により、藩領が新しい県の管轄となり、地域の行政機構が整備されました。その後、1878年には行方郡の名称が正式に確認され、郡役所が麻生村に設置されました。このようにして、行方郡は近代における行政区画としての役割を果たしていきました。

町村制の施行とその後

1889年（明治22年）には町村制が施行され、行方郡内では複数の町村が誕生しました。麻生町や潮来町など、後の行方市を構成する町村もここからスタートしています。この時期には、地域のコミュニティが強化され、行方郡はさらに発展していきました。

行政組織の変遷

昭和30年代に入ると、地域の統合が進む中で、1955年には複数の町村が合併して新しい町が設立されました。これには玉造町や潮来町が含まれ、さらに地域の枠組みが変わっていきます。その後も合併は続き、2005年には行方市が新たに設立され、行方郡自体はその歴史に幕を閉じることとなりました。

まとめ

行方郡は、古代から現代にかけて多くの変遷を経てきた地域です。その歴史は茨城県の文化や伝統に深く根付いており、現在も多くの人々によって受け継がれています。行方郡の消滅後も、地域名は「鹿行地域」として残り、その名は地域の人々によって大切にされています。

もう一度検索