衛星カタログ番号

衛星カタログ番号とは

衛星カタログ番号（Satellite Catalog Number, SATCAT）は、アメリカ宇宙コマンド（USSPACECOM）が付与する、地球の軌道上およびそれを超える全ての人工物を特定するための最大9桁の番号です。最初の番号は1957年に打ち上げられたスプートニク1号を発射するためのロケットに割り当てられ、次にスプートニク1号そのものが続きます。それ以降は、人工物が打ち上げられたまたは発見された順に連続して番号が付けられています。この番号は、NORAD IDやUSSPACECOMオブジェクト番号とも呼ばれ、単にカタログ番号と称されることもあります。

カタログの対象

衛星カタログには、直径10センチメートル以上の人工物のみが掲載され、軌道に乗らなかったり、短時間しか存在しなかったものは含まれません。現在、USSPACECOMは第18宇宙防衛隊が管理するWebサイト「space-track.org」を通じて衛星カタログを公開しており、2021年6月11日の時点で48,833個の人工物が登録されています。この中で、1957年以降に軌道に投入された人工衛星は11,264個に上ります。さらに、21,197個の人工衛星に関しては、その位置が現在も追跡されていますが、1,374個の人工物はその存在が消失しています。また、欧州宇宙機関（ESA）による推定では、USSPACECOMが追跡可能なサイズの宇宙ゴミが約34,000個存在しているとされています。

カタログ番号の付与

恒久的にカタログに記載される物体には1から69,999までの番号が付与されます。2020年以降、Space-Trackでは、新たに検出された宇宙デブリなどに対して、99,999を超える6桁以上の番号が付与されるようになりました。これにより、衛星カタログの管理がさらに精緻化されています。

歴史的背景

衛星カタログの管理は当初、北アメリカ航空宇宙防衛司令部（NORAD）によって行われていましたが、1985年からはUSSPACECOMがその役割を引き継ぎ、全ての地球軌道上の人工物の追跡と識別を担当しています。USSPACECOMは2002年にアメリカ戦略軍（USSTRATCOM）に統合されて一時消滅しましたが、2019年には再設立されました。

衛星カタログ番号は、2020年までは2行軌道要素形式（TLE）のフォーマットによって5桁に制限されていました。しかし、2020年より、宇宙データシステム諮問委員会（CCSDS）の定めるOMM（Orbit Mean-Elements Message）形式に移行し、カタログ番号は最大9桁まで拡張されました。この変更により、より多くの人工物が管理できるようになりました。

まとめ

衛星カタログ番号は、宇宙活動の進展と共に、人工物の追跡や管理において極めて重要な役割を果たしています。これにより、宇宙空間におけるデブリの管理や、将来の宇宙ミッションの安全性向上に寄与しています。

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