衝鋒隊

衝鋒隊の歴史

衝鋒隊（しょうほうたい）は、幕府陸軍における歩兵指揮役を務めた古屋佐久左衛門によって創設された特異な軍事組織です。この部隊は戊辰戦争において、特に関東、越後、さらに箱館といった場所で激しい戦闘を繰り広げました。副隊長には名剣客として知られる今井信郎が名を連ねていました。

結成の背景

1868年に始まる戊辰戦争の中、衝鋒隊の結成にはいくつかの歴史的背景があります。具体的には、鳥羽・伏見の戦いにおいて、戦死した佐久間信久が率いた第11連隊に続いて、窪田鎮章の第12連隊もまた戦死するという悲劇的事件が発生しました。その後、これらの兵士たちは江戸開城に対して不服を抱き脱藩することとなります。

古屋佐久左衛門は、脱藩した兵士たちを再び取り込み、第6連隊を加え、約900名の部隊を組織しました。この新たな軍隊は「衝鋒隊」と名付けられ、初めての戦闘となる梁田の戦いで官軍からの奇襲を受け、敗北を喫しましたが、残された兵士をまとめて会津方面へと進軍しました。

戦闘と困難

1868年3月、衝鋒隊は新潟に到着し、ここで新発田藩から一千両を調達し、軍資金として利用しました。この資金を持って、寺泊、与板藩、高田藩へと進軍し、北西からの江戸奪還を目指しました。さらに信州国境を越え、飯山城下への進軍を果たしますが、この地において松代藩、飯山藩、そして尾張藩との交戦が発生しました。

しかしながら、高田藩の裏切りに遭い、衝鋒隊は大きな損害を被る結果となり、兵士の三分の一を失うこととなりました。その後、残った兵士たちは新潟へと撤退しましたが、その志は衰えることなく、小千谷で再結集し北越戦争に再度参加することとなります。

終焉

北越戦争の後、衝鋒隊は会津藩が降伏した影響を受け、他の旧幕府軍と同様に仙台を経て箱館へ向かうことになります。1869年5月には榎本武揚を指導者とする五稜郭の旧幕府軍が降伏することとなり、衝鋒隊もその流れに飲み込まれる形で解散を余儀なくされました。これに先立ち、古屋佐久左衛門自身が戦死したことも、部隊解散の大きな要因となりました。

関連項目

この衝鋒隊の歴史は、幕府陸軍としての姿を浮き彫りにし、戊辰戦争や北越戦争、さらに箱館戦争といった重要な歴史的事件との関連を持っています。

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