飯山城

飯山城（長野県飯山市）

飯山城は、現在の長野県飯山市飯山に位置する平山城です。東を千曲川、西を山地に囲まれた自然の地形を活かし、丘陵を整地して築かれました。

歴史

築城年は定かではありませんが、14世紀初頭には泉氏の居城であったと伝えられています。その後、高梨氏の支城となり、戦国時代には上杉謙信が武田信玄に対抗するための重要な拠点として大規模な改修を行いました。

戦国時代：1557年、武田氏によって高梨政頼が飯山城へ追いやられました。1564年、上杉謙信が信濃への勢力拡大を図る武田信玄に対抗するため、越後防衛と信濃攻略の拠点として城を本格的に築城。謙信自身が普請の完了を確認したという記録も残っています。
安土桃山時代：1578年、上杉氏から武田勝頼に割譲。武田氏滅亡後は森長可の居城となり、その後上杉景勝の持城となりました。豊臣秀吉の家臣である石川光吉が代官として千曲川両岸を支配した後、関一政が3万石で入封しましたが、すぐに美濃国土岐へ移封されました。
江戸時代：1603年、松平忠輝が川中島に18万石で入封した際、家臣の皆川広照が4万石で配置されましたが、忠輝の不行跡を訴えたことで逆に除封されました。その後、堀氏、佐久間氏、桜井松平氏、永井氏、青山氏と城主が頻繁に変わりましたが、1717年に本多助芳が越後糸魚川藩より入封して以降、本多氏が10代にわたり明治維新まで飯山城を治めました。
明治時代：1868年、飯山戦争で旧幕府軍衝鋒隊の攻撃を受け、城下町が焼失。廃藩置県後、城の建物は破却や焼失により失われました。

構造

飯山城は、丘陵上に本丸、二の丸、三の丸を南北に配置し、西側の山麓に西郭、北側に外郭を設けた構造でした。周囲には堀が巡らされ、本丸、二の丸、三の丸にはそれぞれ居館、政庁、櫓が建てられました。門は全部で12棟ありましたが、天守は築かれず、二重櫓がその代わりを務めていました。西郭には重臣の屋敷が並んでいました。1847年の善光寺地震で石垣が大きく崩れましたが、1849年に再建されました。

現在の飯山城

現在、本丸は葵神社の境内となり、二の丸は城址公園として整備されています。本丸から二の丸にかけて石垣と土塁が残り、当時の面影を伝えています。本丸庭園は、春には桜が咲き誇り、多くの人々が訪れる憩いの場となっています。

現存する遺構として、南中門跡に移築された城門や、妙専寺に移築された不開門、長野市田子の民家と中野市江部の民家に移築された門などがあります。また、長野市の信雙寺には大手門が移築されていますが、二層部分は焼失しています。

アクセス

鉄道：JR飯山線・北飯山駅から徒歩5分
自動車：上信越自動車道・豊田飯山ICから国道117号線経由
* 駐車場：城山公園駐車場（無料、20台）

もう一度検索