袁乃寛

袁乃寛について

袁乃寛（えん ないかん、または えん だいかん）は、1867年に生まれ、1946年に亡くなった清末から民初にかけての著名な政治家および実業家です。彼は特に袁世凱に近い部下として知られ、長い間中日実業株式会社の総裁を務めるとともに、様々な公職を歴任しました。

生い立ちと初期のキャリア

袁乃寛は、同じ姓と出身地を持つ袁世凱と親しい関係にありながらも、血縁関係はありませんでした。彼のキャリアは1893年、袁世凱に随行して朝鮮に赴任したことから始まりました。その際、彼は文書管理を担当し、両者は互いに叔叔と甥を称し合う仲でした。1895年に帰国した後は、新建陸軍に加入し、供給担当の部署に在籍しました。この新陸軍においての彼の活躍は、天津県知事や拱衛軍軍需総長、鑲紅旗蒙古副都統としての任務に結びついていきました。

中華民国での活動

中華民国成立後の1913年、袁乃寛は陸軍中将となり、1915年には袁世凱が皇帝になろうとする計画を支持し、籌安会の会員となり、大典籌備処の庶務主任を務めました。1916年には袁世凱の葬儀委員に任命され、彼の影響力を示す重要な役割を果たしました。

1917年に張勲の復辟を試みる運動に参加したものの、失敗し捕縛されましたが、後に段祺瑞によって特赦を受けました。1923年には曹錕による賄選に加担し、同年9月には農商総長署理に任命されました。この平成の実業活動においては、農商総長としての職務を持ちながら、経済界でも高い地位を築きました。

実業界での活躍

1923年8月、袁乃寛は中日実業株式会社の総裁に就任し、1939年までの15年以上、その地位にありました。彼は実業家としても多岐にわたる活動を行い、華中鉱業股份有限公司の常務取締役や、晨報社の董事長など、多くの役員職を歴任しました。彼のビジネスセンスは、当時の中国の実業界において重要視されていました。

晩年と評価

1939年には、呉佩孚が発表した「和平救国宣言」にも署名したとされ、その経緯については詳細は不明ですが、政治的な存在感は依然として残っていました。病気により北平に隠遁した後、1946年に亡くなったとされていますが、その死に関しては異なる情報もあるようです。

袁乃寛の業績は、清朝末期から民国初期における中国の政治や経済において重要な位置づけを占めており、彼の活動は多くの側面から評価されています。彼の生涯は、変革期における個人の役割とその影響力を示す重要な事例と言えるでしょう。

参考文献

• - 河南省志 人物志 （河南人民出版社、1995年）
• - 民国人物大辞典 増訂版 （河北人民出版社、2007年）
• - 民国職官年表 （中華書局、1995年）
• - 中日実業株式会社三十年史 （中日実業、1943年）
• - 曹汝霖回想録 （鹿島研究所出版会、1967年）

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