袖ケ浦駅

袖ケ浦駅

千葉県袖ケ浦市奈良輪に位置する袖ケ浦駅は、東日本旅客鉄道（JR東日本）が運営する内房線の鉄道駅です。袖ケ浦市の中心部にあり、周辺地域の重要な交通結点として機能しています。

歴史

袖ケ浦駅の起源は、大正元年（1912年）8月21日に「楢葉駅」として開設されたことに遡ります。駅名は、開業当時の所在地であった楢葉村に由来するものでした。路線の名称は時代と共に変化し、1919年には北条線、1929年には房総線、1933年には房総西線の一部となりました。鉄道貨物および荷物の取り扱いは、1971年10月1日をもって終了しています。現在の「内房線」という路線名が適用されたのは、1972年7月15日のことでした。そして、開業から長い年月を経た1974年3月31日に、駅名は現在の「袖ケ浦駅」に改称されました。

国鉄の民営化に伴い、1987年4月1日にはJR東日本の駅として新たな一歩を踏み出しました。駅設備の近代化も積極的に行われ、1995年11月4日には自動改札機が設置され運用を開始しています。さらに、ICカード乗車券「Suica」の利用も2001年11月18日から可能となり、利用客の利便性は大きく向上しました。

列車の停車に関しても変化が見られ、2001年12月1日からは一部の快速列車が停車するようになり、2004年10月16日には全ての快速列車が停車するようになりました。窓口サービスについても、2007年3月24日にみどりの窓口の営業が終了し、翌日から稼働した「もしもし券売機Kaeruくん」も2012年2月29日にその役割を終えています。

駅施設そのものも大きく刷新されました。2014年10月11日には駅の南北を繋ぐ自由通路が供用開始され、それに続いて10月12日には待望の新橋上駅舎が利用を開始しました。旧駅舎は内房線でも最古級となる開業当初からの木造建築でしたが、この改築によりその姿を消しました。

駅構造

現在の袖ケ浦駅は、ホームを地上に持つ橋上駅舎の構造を採用しています。島式ホーム1面2線を備えており、効率的な列車の運行を可能にしています。2014年に完成した新しい駅舎は橋上に位置しており、ホームへのアクセス性が向上したほか、駅の南側と北側を自由に行き来できる通路が整備されています。駅の出入口は南口と北口の二箇所に設けられています。

駅の運営は、木更津統括センターの管理下で、JR東日本ステーションサービスへの業務委託形式で行われています。駅構内には、切符や指定席券を購入できる自動券売機や指定席券売機、スムーズな乗降をサポートする自動改札機、そして運賃精算用の自動精算機といった設備が設置されています。また、全ての利用者が安全かつ快適に利用できるよう、エレベーターやエスカレーターといったバリアフリー設備も完備されています。

利用状況

袖ケ浦駅の利用者は近年、増加傾向にあります。直近のデータである2023年度の統計によると、1日あたりの平均乗車人員は5,468人でした。1990年度以降の年間平均乗車人員の推移は公式の統計資料として記録されており、駅の発展と共に利用状況がどのように変化してきたかを知ることができます。

駅周辺

袖ケ浦駅の周辺エリアは、南口と北口でそれぞれ異なる特徴を持っています。

南口側は、袖ケ浦市の既存市街地として発展しており、市の行政の中心である袖ケ浦市役所や市立図書館などが立地しています。このエリアは商業施設や住宅が混在する、地域の主要な生活圏となっています。

一方、北口側では「袖ケ浦駅海側特定土地区画整理事業」が進められており、大規模な開発が行われています。この開発地域には、商業施設複合体である「ゆりまち袖ケ浦駅前モール」やビジネスホテル「東横イン」などが開業し、新しい都市景観が生まれつつあります。北口のすぐ北側を流れる浮戸川を境に木更津市となり、大型商業施設として知られる「三井アウトレットパーク 木更津」も、地理的には当駅を最寄りとする場所に位置しています。

バス路線

袖ケ浦駅は、地域を結ぶバス交通の結節点としての役割も担っています。駅の南口と北口それぞれにバス乗り場があり、小湊鉄道、日東交通、そして高速バスを運行する京浜急行バスといった複数のバス事業者が乗り入れています。

南口の「袖ヶ浦駅」バス停留所からは、都心へ向かう品川駅東口行きの高速バスをはじめ、市内方面への平川行政センター、のぞみ野ターミナル、東京ドイツ村、そして袖ケ浦バスターミナルや代宿団地など、多岐にわたる行先の路線バスが発着しています。

北口の「袖ヶ浦駅北口」バス停留所からは、三井アウトレットパークや木更津駅西口へ向かう路線、さらには東京駅鍛冶橋駐車場行きの高速バス「東京ガウライナー」、長浦駅行きの路線バスなどが運行されており、駅を利用する人々の広範囲な移動を支えています。

隣の駅

JR東日本内房線における袖ケ浦駅の隣接駅は、列車の種別によって異なります。

快速（総武線経由）：長浦駅 - 袖ケ浦駅 - 木更津駅
快速（京葉線経由）・普通（各駅停車）：長浦駅 - 袖ケ浦駅 - 巌根駅

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