裏切りのサーカス

裏切りのサーカス (Tinker Tailor Soldier Spy)

『裏切りのサーカス』（原題: Tinker Tailor Soldier Spy）は、ジョン・ル・カレの同名小説を原作とした、2011年公開のイギリス・フランス・ドイツ合作のスパイ映画です。トーマス・アルフレッドソン監督が、ゲイリー・オールドマンを主演に迎え、冷戦下の情報戦を重厚なタッチで描き出しています。コリン・ファース、トム・ハーディ、ベネディクト・カンバーバッチなど、豪華キャストが共演し、緻密なストーリーと映像美で、観る者をスパイの世界へと引き込みます。

あらすじ

東西冷戦下のイギリス秘密情報部（MI6）、通称「サーカス」では、長年の作戦失敗と情報漏洩が相次いでいました。サーカスの長官コントロールは、内部にソ連の二重スパイ（通称「もぐら」）が存在すると確信し、幹部たちの身辺調査を開始します。しかし、作戦は失敗に終わり、コントロールと右腕のジョージ・スマイリーは引退を余儀なくされます。

その後、イスタンブールに派遣されたリッキー・ターの前に、「もぐら」に関する情報を持つソ連の女性イリーナが現れます。ターは彼女を亡命させようとしますが、イリーナは連れ去られてしまいます。サーカス内部に「もぐら」がいることを確信したターは、引退したスマイリーに調査を依頼。スマイリーは、ターの上司ピーター・ギラムと、ロンドン警視庁のメンデル警部と共に、「もぐら」探しを開始します。

主要キャスト

ジョージ・スマイリー: ゲイリー・オールドマン (辻親八)
サーカスの元幹部。冷静沈着な分析力を持つ。
ビル・ヘイドン: コリン・ファース (森田順平)
サーカスの幹部。スマイリーの妻と不倫関係にある。
リッキー・ター: トム・ハーディ (鶴岡聡)
サーカスの工作官。「もぐら」の存在を告発する。
ジム・プリドー: マーク・ストロング (加藤亮夫)
サーカスの工作官。ヘイドンの「親友」。
ピーター・ギラム: ベネディクト・カンバーバッチ (小川輝晃)
サーカスの中堅幹部。スマイリーの調査に協力する。
パーシー・アレリン: トビー・ジョーンズ (佐々木睦)
サーカスの現リーダー。強引な手法で組織を運営する。
コントロール: ジョン・ハート (大塚周夫)
サーカスの前リーダー。「もぐら」の存在を疑い調査を始める。
イリーナ: スヴェトラーナ・コドチェンコワ (石田嘉代)
モスクワ・センターの女性。ターに「もぐら」の情報を伝える。

製作

ワーキング・タイトル・フィルムズが製作を担当。監督にはトーマス・アルフレッドソンが起用され、脚本はブリジット・オコナーとピーター・ストローハンが手がけました。撮影は、ロンドンやブダペスト、イスタンブールなどで行われ、冷戦時代の雰囲気をリアルに再現しています。

評価

『裏切りのサーカス』は、批評家から高い評価を受けました。特に、ゲイリー・オールドマンをはじめとするキャストの演技、緻密なストーリー展開、重厚な映像などが評価されています。また、興行的にも成功を収め、イギリスでは3週連続で週末興行収入1位を獲得しました。

受賞歴

* キネマ旬報外国映画ベストテン 第10位(2012)

本作は、冷戦時代を舞台にしたスパイ映画の傑作として、今もなお多くのファンを魅了し続けています。

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