裴垍

裴垍の生涯と業績

裴垍（はい き、765年 - 811年）は、唐代の著名な官僚で、政治家としても名を馳せた人物です。字は弘中で、本貫は絳州聞喜県にあります。

経歴の出発

裴垍は若くして進士に合格し、官界に足を踏み入れました。特に貞元年間に、賢良方正科で対策第一となり、美原県尉に任命されます。彼は、後に藩府からの招集を受けることがありましたが、いずれも辞退しました。監察御史や殿中侍御史、礼部員外郎、考功員外郎といった重要な官職を経ながら、裴垍はその誠実さと能力を高く評価されました。

卓越した審査能力

吏部侍郎の鄭珣瑜が、試験の文辞の判定を求めた際、裴垍は不正な請託を受けることなく、実力に基づいた審査を行いました。このことは彼の公正な姿勢を示しており、以後の彼の信頼をもたらしました。

長安での活躍

元和初年に、裴垍は長安に招かれ、翰林学士として仕官します。考功郎中や知制誥に転任した後、中書舎人となり、宰相の李吉甫から人材の推薦を求められました。彼は専門的な目で、30数人の優れた人材の名前を挙げ、その後彼が推薦した人物の大半が任用されるという成果を上げました。

論議を巻き起こした賢良の答案

元和3年（808年）、賢良を挙げるよう命じる詔が出された際、裴垍は激しい意見を述べた皇甫湜の答案や、牛僧孺と李宗閔の批判的な意見に共鳴しました。このため、彼は意見が合致した考官たちとともに、賢良を及第させるよう求めました。権力者たちが彼の行動に抗議し、懸命に訴えかけた結果、宰相から一時的に罷免されますが、彼の実直さはさらに評価されました。

中書侍郎から宰相へ

その後、李吉甫が淮南節度使に就任する際、裴垍は中書侍郎として重責を担うことになりました。翌年には、集賢院大学士や監修国史といった地位も加わり、彼はますます重用されるようになります。

健康の問題と最後

元和5年（810年）、裴垍は中風を病み、容体が悪化。彼は宰相の地位を退き、兵部尚書に任命されます。最終的には、太子賓客に転じ、その後客死しましたが、死後には太子少傅の地位が追贈されました。

伝記資料

裴垍の生涯については、『旧唐書』や『新唐書』などの歴史資料にも記されています。彼の業績は、唐代の政治の一端を担い、その後の社会にも影響を与えました。彼の人生からは、誠実さや実力を重視する姿勢がうかがえます。

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