李吉甫

李吉甫の生涯と業績

李吉甫（758年 - 814年）は、唐代の著名な官僚および政治家であり、字は弘憲、本貫は趙州賛皇県に属します。彼は唐代代宗の時代に、御史大夫李栖筠の子として生まれました。李吉甫は若い頃から学問に対する強い関心を持ち、文章作成においても才能を発揮しました。

初期の経歴と出世の道

彼は蔭官制度により、左司御衛の倉曹参軍に任命されることができました。貞元元年（785年）には太常寺の博士に昇進し、当時の国家の歴史や習慣に精通していたことから、さまざまなポジションで評価されました。特に、宰相である李泌や竇参からはその才能を高く評価され、彼の官位は次第に高まっていきました。

しかし、ある時に宰相陸贄の任命に伴い、李吉甫は明州長史という位置に左遷されます。この転機を経て、彼は忠州刺史として再び官職に復帰しました。忠州での彼は地元の発展に尽力し、病が理由で退任するまで、約六年間もその地にとどまりました。

中央政界への復帰

永貞元年（805年）、憲宗が即位した際、李吉甫は長安に呼び戻され、考功郎中と知制誥のポジションを与えられた。このころ、彼は翰林学士にも任じられ、中書舎人に転任しました。彼は朝廷内での権力争いに対して非常に慎重に対応し、権力を揺るがす者に対しては排除の立場を貫くことが求められる局面もありました。

反乱への対応と軍事戦略

元和元年（806年）には、西川節度副使の刘闢による反乱が発生すると、憲宗からこの反乱を鎮圧するよう命じられます。李吉甫は軍を広く配備し、反乱軍の動きに対し巧妙な策略を講じました。この一連の対応が功を奏し、彼の名声は高まりました。

元和3年（808年）には、彼は再度宰相に任命され、さらなる重責を担うこととなります。この時期、彼は国政における具体的な政策提案や改善のための上疏を行い続け、国家の発展に貢献しました。特に彼は、公共事業や農業への取り組みに注力し、田畑の灌漑や河川工事を手掛けました。

晩年と遺産

元和6年（811年）1月、李吉甫は一連の功績により金紫光禄大夫や趙国公などの栄誉を受けました。しかし、元和8年（813年）の秋に回紇の部落が唐の領土に侵入する動きに対し、彼は防備の再構築を強く求め、国家の安全に寄与することも忘れませんでした。

しかしその後、814年には病により突然死去し、享年57歳でした。死後、彼の功績は司空の位を追贈され、忠懿の諡号を賜ります。また、李吉甫は著作家としても知られ、いくつかの書物を残しました。『六代略』や『元和郡国図』といった多くの著作は、当時の人々に読み継がれています。彼の子供には李徳修・李徳裕の二人がおり、家族としてもその名を残しました。

李吉甫の生涯は、唐代における政治と文化に多大な影響を与えた人物として、今なお語り継がれています。

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