襄東会戦

襄東会戦の概要

襄東会戦（じょうとうかいせん）は日中戦争における重要な戦闘であり、1939年5月1日から20日までの間、湖北省の襄東地区で日本陸軍と国民革命軍が激闘を繰り広げました。この戦闘は、日本軍が中国軍の反攻を阻止し、占領地域の安定を図ることを目指して実施されたもので、その作戦名は「そ号作戦」と呼ばれます。一方、中国側ではこの戦闘に「随棗会戦」という名称が付けられています。

背景

この会戦は、1938年に日本軍が実施した武漢作戦や広東作戦により、主要都市が日本の手に落ちた後の中国の状況から生じました。国民政府は、これに対抗すべく中国軍を再編成し、1939年4月までにある程度の整備を終えました。特に、第5戦区には湯恩伯指揮の第31集団軍が集結し、反攻を開始する準備をしていました。

日本側では、この攻勢に備えて「そ号作戦」を計画し、中国軍の主力である第31集団軍を標的として、主に襄河の東側での軍事行動を展開することを決定しました。これにより、日本軍は中国軍を撃滅し、自らの占領地域を保持したいと考えていました。

戦闘の経過

襄東会戦は、5月1日からの日本軍の攻撃によってスタートしました。東方の第3師団が中国の第31集団軍に対して牽制攻撃を行ったものの、中国軍は初めはそれほど強く抵抗しませんでしたが、主力の増援により抵抗が激化しました。このため、日本軍は計画よりも早く攻撃を開始し、5月5日には前進を開始しました。

5月6日には、日本の第11軍司令部が中国軍の拠点が崩壊したと判断し、第31集団軍を包囲することを決定します。戦闘が進む中、日本軍は中国軍の増援を撃退しつつ、進攻を続けました。この戦いで特筆すべきは、5月11日に発生した韓庄の戦いです。日本の騎兵団が中国軍を捕らえ、激しい戦闘を展開しました。

最終的に、5月10日から12日には日本軍は主力を集結させ、中国軍を壊滅状態に追い込み、作戦目的を達成したと認識します。5月12日以降、日本軍は反転し、残敵の掃討に取り掛かりましたが、中国軍は山地に退却し、思うような戦果は上げられませんでした。

戦闘の成果

襄東会戦において日本軍は、約30個師団相当の中国軍と接触し、約20個師団に大きな打撃を与えたと評価されています。この結果、中国軍は一時的に漢水以東の地域を放棄することとなりました。一方、日本軍の戦死者は約650名、負傷者は約1,800名とされています。

韓庄の戦い

襄東会戦の中でも重要な局面を形成したのが韓庄の戦いです。この戦闘では、日本軍の騎兵団が中国軍の退却部隊に対して乗馬攻撃を行い、日本史上最後の大規模な乗馬戦となりました。中国軍は大きな被害を受け、結果的に日本軍は韓庄周辺での優位を築くことに成功しました。

このように、襄東会戦は日中戦争における重要な軍事的対立を示すものであり、その影響は後の戦局にも大きく影響を与えました。

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