襟裳 (給油艦)

陸軍艦艇「襟裳」についての概説

「襟裳（えりも）」は、日本海軍に所属する給油艦であり、知床型給油艦の3番艦です。その名前は北海道の襟裳岬に由来しています。艦は1920年に竣工し、初めて呉鎮守府籍に登録されました。この艦は平時には海外から日本への重油輸送を行い、日中戦争が始まると、中国各地への物資輸送に従事しました。

艦歴

「襟裳」は1918年度の八六艦隊案に基づいて計画され、その建造は川崎造船所で行われました。竣工後は呉を母港とし、戦時中の資源輸送に重要な役割を果たしました。特に、1941年11月22日に出撃し、同年12月8日には太平洋戦争が始まる中で馬公に入港したことが記録されています。ここで、「襟裳」はボイラーおよび内火機械用の重油を8,000トンと真水606トン積載し、カムラン湾へ向かいました。

その後、特務艦として第十五軍の将兵に燃料を補給する任務が与えられましたが、当初予定されていた「黒潮丸」のトラブルにより、急遽「襟裳」に任務が変更されることとなりました。1942年1月4日にカムラン湾を出発した「襟裳」は、シンゴラに向かい、以降はサイゴンやサンジャック、アナンバス諸島などで活動しながら、連合艦隊の作戦を支援しました。

沈没の経緯

1942年の3月初旬、「襟裳」はアナンバス諸島を出発し、ジャワ海へ向かう途中、アメリカの潜水艦S-39の攻撃を受けます。3本の魚雷が命中し、艦は沈没します。ビリトン島近海にて、艦の乗員162人が救助される中、18名が戦死する悲劇が起きました。その後、艦は特務艦としての地位を与えられ続けましたが、1947年に除籍が完了するまでその船体の一部が水面に残ったままであったことが記録されています。

特務艦長の履歴

「襟裳」には数名の特務艦長が就任しました。最初の艤装員長は有沢四十九郎大佐で、1920年から1921年にかけてその役割を果たしました。以降も多くの優れた将官がその指揮を執り、艦は戦局に応じた様々な任務を遂行してきました。

特に、艦歴を通じて多くの艦長がその指揮を取り続け、重要な戦略のニーズに応じた燃料補給を行っていました。連合艦隊付属艦としても重要な役割を担い、戦争の最前線で活躍しました。

結論

「襟裳」は日本海軍の一艦として、平時・戦時共にその機能を全うする重要な役割を果たしました。与えられた任務を通じて、地域の戦略に寄与し、海軍の歴史の一部として名を刻んでいます。

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