西ノ海嘉治郎 (初代)

西ノ海 嘉治郎について

西ノ海 嘉治郎（にしのうみ かじろう）は、1855年に現在の鹿児島県薩摩川内市に生まれた大相撲の力士であり、明治時代の相撲界において重要な存在でした。本名は小園 嘉次郎です。彼は高砂部屋に所属し、相撲界の頂点である横綱の地位に昇進しました。彼の生涯を通じての業績と魅力を見ていきましょう。

来歴

嘉治郎は幼少期から相撲に親しんでおり、地元の相撲で名を馳せていました。1873年に京都へ上り、鯨波部屋に入門します。その後、1874年には「西ノ海」と名乗り、三段目相撲に出場します。彼は1876年に入幕し、小結に昇進しました。

1881年には高砂部屋に移籍し、1882年に幕内に付出として初土俵を踏みます。この時、当時の大坂相撲の大関であった初代梅ヶ谷と対戦することになり、相当な評価を受けることとなりました。このように、早い時期から彼は将来の力士として期待されていたのです。

1885年には大関の地位にまで登りつめます。しかし、その後一時的小結に陥落しますが、これは興行上の事情によるものでした。1890年には再び大関に復帰するも、その成績には議論の余地がありました。この年の5月場所では、彼自身が横綱としての扱いに不満を抱いていたため、相撲史上初めて番付に「横綱」と記載されることとなります。

最終的に、1896年の場所を最後に嘉治郎は現役を引退し、年寄「8代井筒」を襲名します。その後、独立して井筒部屋を創立し、数名の力士を育成しました。特に鹿児島出身の若者たちが多く門を叩き、彼の影響力を物語っています。

人物及び相撲スタイル

嘉治郎は堅太りで筋肉質な体型をしており、その性格は豪放磊落で知られていました。試合を控えていても、支度部屋で高いびきをかいて寝ていたとの伝承もあります。彼は同部屋の大達羽左エ門、一ノ矢藤太郎とともに「高砂三羽烏」と称されるほどの名力士でした。

彼の取り組みは力任せで、特に泉川を得意としていました。ただし、機敏な力士には取られがちだったと言われています。また、藩閥勢力が強かった薩摩に出自を持つことから、横綱免許に特異な状況があったとも言われています。

主な成績

嘉治郎の通算成績は、幕内で29場所出場し、127勝37敗25分4預97休という素晴らしい数字を残しています。横綱としては、12場所に出場し、44勝13敗60休1分2預の成績を残しました。優勝相当成績は2回です。彼の活躍は、相撲界において非常に大きな影響を与えました。

結論

西ノ海 嘉治郎は、明治時代の大相撲界で特筆すべき力士の一人です。彼の人生は相撲のみならず、地域社会にも大きな影響を与えました。53歳の若さで1908年に亡くなるまで、彼はその足跡を刻み続け、後世の力士たちに受け継がれる遺産となりました。

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