西中野停留場

概要

西中野停留場（にしなかのていりゅうじょう）は、富山県富山市西中野町に位置する、富山地方鉄道富山軌道線本線の停留場です。この停留場には、駅を識別するための番号としてC05が付与されています。富山県道43号富山上滝立山線の一部である併用軌道上に設けられており、道路と線路が一体となった区間にあります。停留場構造としては、相対式ホームが線路を挟んで向かい合う形で2面、それぞれに線路が1線ずつ、計2線を有しています。特筆すべきは、ホームの配置が「千鳥式」である点です。これは、上下方向のホームが同じ場所ではなく、進行方向に対して互い違いになるように配置されている形式で、地上駅として整備されています。

歴史

西中野停留場の開業は、さかのぼること大正時代、1913年（大正2年）9月1日です。当時は富山電気軌道の停留場として産声を上げました。その後、軌道事業が富山市へ譲渡されることになり、1920年（大正9年）7月1日からは富山市営軌道の停留場となりました。昭和期に入ると、停留場の位置に変更がありました。具体的には、1943年（昭和18年）以前のある時期に、近隣にあった白山社前停留場が廃止されたことに伴い、西中野停留場が現在の位置より北側へ移設されています。同年1月1日には、市営軌道が富山地方鉄道へ譲渡されたため、西中野停留場も同社の停留場となりました。しかし、第二次世界大戦中の1945年（昭和20年）8月2日、富山大空襲により市街地が壊滅的な被害を受け、軌道線も大きな被害を受けました。これにより、西中野停留場を含む区間は運行休止に追い込まれます。戦後、懸命な復旧作業が進められ、翌1946年（昭和21年）1月14日には、南富山駅前停留場から富山駅前停留場までの区間の復旧が完了し、これに伴って西中野停留場も営業を再開しました。以降、現在まで富山地方鉄道の停留場として地域の交通を支えています。

構造

西中野停留場は、道路上に設けられた併用軌道上に位置する地上駅です。停留場設備は、相対式ホーム2面2線で構成されています。相対式ホームとは、線路を挟んで上下線の乗降場が向かい合うように配置されている形式を指します。この停留場のホームは、他の多くの停留場に見られるような同一箇所に並んで設置されているのではなく、「千鳥式」と呼ばれる配置が採用されています。これは、上下線のホームが進行方向に対して互い違い、すなわち少しずらして設置されている構造です。この配置により、乗降スペースを分散させ、比較的限られた道路幅の中でも停留場機能を確保しています。

周辺施設

西中野停留場の周囲には、様々な施設が点在しており、地域の生活や活動の中心地の一つとなっています。教育機関としては、北陸ビジネス福祉専門学校が停留場からほど近い場所にあります。また、江戸時代から続く老舗の製薬会社である広貫堂の本社や工場もこの周辺に位置しており、その歴史を感じさせます。市民の憩いの場としては、かつて富山市民プールがあった場所に整備された東中野公園や、少し離れていますが緑豊かな城南公園があります。さらに、子供から大人まで科学に触れることができる富山市科学博物館も徒歩圏内です。停留場が面している富山県道43号線のほか、富山県道179号三室荒屋富山線なども周辺を通っており、交通の利便性も確保されています。

隣の停留場

富山地方鉄道富山軌道線本線における西中野停留場の隣接駅は以下の通りです。

南富山駅前方面：小泉町停留場（駅番号C04）
富山駅前方面：広貫堂前停留場（駅番号C06）

これらの停留場との間で、富山市内の主要なエリアへのアクセスが可能です。

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