西中金駅

西中金駅の概要

西中金駅（にしなかがねえき）は、かつて愛知県豊田市中金町に存在していた名古屋鉄道三河線の駅であり、現在は廃駅となっています。この駅は1928年に開業し、当初は三河広瀬からの路線の一部として多くの利用者に親しまれていました。

歴史的背景

駅の歴史は三河鉄道の時代に遡ります。当初は紅葉の名所として知られる香嵐渓がある足助町へ路線が延びる予定でした。しかし、世界恐慌やその後の大東亜戦争の影響により、延伸事業は資金不足に直面し、最終的には断念されました。名古屋鉄道との合併後も延伸計画は未達に終わり、用地として確保されていた土地は現在、道路として利用されています。

駅舎は1930年に新しく建設され、長年地域の交通の要所として機能しましたが、1972年の大雨による不通や、以降の貨物営業停止により、利用者は次第に減少しました。1999年には集中豪雨の影響でも不通となり、最終的には2004年に営業を終了し、廃駅となりました。

古き良き駅舎の活用

2007年には駅舎とプラットホームが国の登録有形文化財に認定され、地域の歴史的財産として保護されています。豊田市はその後、駅舎の待合室を改装し、「西中金ふれあいステーション」として喫茶店がオープンしました。この喫茶店は地域住民によって運営されており、地域の交流の場となっています。

駅の構造と特長

西中金駅は特徴的な構造を持ち、一面の棒線ホームを有する静かな駅でした。開業当初から足助方面への延長計画があったため、終着とは思えない暫定的な設計がなされています。また、駅名標には足助方向への自動車連絡が表示されており、その名残を忍ばせています。

利用状況

1992年度の1日平均乗降人員は678人で、この数値は名鉄全体の中でも中位に位置していました。乗降のデータからも分かるように、駅はその時期において地域の通勤や通学に欠かせない存在でしたが、次第に利用者数は減少していきました。

周辺環境

西中金駅は国道153号に近く、バスの停留所が周囲に点在しています。これにより、駅の廃止後も地域住民の移動手段は確保されています。周辺地域には自然豊かな環境が広がり、観光スポットも点在していることから、訪れる人々にとって魅力的な場所となっています。

まとめ

西中金駅はその歴史的な背景とともに地域住民に愛されてきた駅でした。廃駅となった今でもその駅舎は地域の文化財として、喫茶店として新たな役割を果たしています。地域の人々にとって、歴史を振り返る大切な場所としての役割を果たしているのです。

もう一度検索