西兗州

西兗州の歴史と管轄

西兗州（せいえんしゅう）は中国の歴史の中でかつて存在していた州で、その設置は527年に遡ります。その年、北魏によって兗州から分割された済陰郡と濮陽郡が新たに設けられ、西兗州が成立しました。州の中心地は当初、済陰郡定陶県の定陶城に置かれました。現在の地名で言えば、山東省菏沢市定陶区の倣山鎮に相当します。その後、州治は定陶県左城、すなわち山東省菏沢市定陶区の馬集鎮に移転しました。

この州は当初、定陶・離狐・冤句・乗氏・濮陽・廩丘・城陽・鄄城の8つの県を管轄することになりましたが、その後、時代の変遷により管理下の県や郡は変わることになります。特に536年、東魏の支配下に入った際には、濮陽郡は司州に移管され、さらに540年には済陰郡から沛郡が切り離されました。これにより、西兗州は済陰郡と沛郡の2つを統治することとなります。

しかし、558年には北斉によって沛郡が再び済陰郡に統合され、結果的に西兗州の管轄は1郡のみに縮小されました。このように、時代ごとの政治的な変化や行政上の都合によって、西兗州の統治状況は一定ではありませんでした。

さらに578年には、北周によって西兗州は曹州と改名され、その後は定陶・冤句・乗氏の3つの県を管轄するように変わりました。このように、数世代にわたって変容した西兗州の歴史は、その当時の政治状況や地域の発展を反映していると言えるでしょう。

西兗州は、北魏から北周にかけての複雑な歴史の中で、一時的ではあっても重要な役割を果たした地域でした。その成り立ちや変遷を追っていくことで、当時の中国の行政区分の変化や地方の発展を理解する手助けになりうるのです。

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