中国街道

中国街道：大坂と西宮を結ぶ歴史の道

中国街道は、大坂と西宮を繋ぐ歴史深い街道です。別名、中国路や浜街道とも呼ばれ、古くから大坂と西国の物資輸送の要として重要な役割を担ってきました。

街道ルートと歴史

街道の起点は大坂城下高麗橋。難波橋、十三の渡し、神崎の渡し、大物浦、尼崎城下などを経て、西宮本町で西国街道と合流します。中世からの歴史を持つこの街道は、近世になると大坂と西国間の交易を支える重要なルートとして繁栄しました。街道沿線には道標が設置され、大名行列も通るなど賑わいを見せていた様子が想像できます。

現代では、都市開発による区画整理が進み、往時の街道筋を完全に辿ることは困難です。しかしながら、発掘調査によって道標などが発見されるなど、当時の面影を垣間見ることができます。

明治から現代までの変遷

明治時代には国道26号に指定されましたが、大正時代には国道2号の指定は西本町交差点以西のみに変更されました。それ以東は、大和田街道や梅田街道、そして尼崎城下の道路が国道に指定されました。1927年の阪神国道の開通（現在の国道2号）に伴い、中国街道は国道指定から外れます。しかし、1953年には西本町交差点から貴布祢交差点間が二級[[国道]]173号に指定され、1958年には一級[[国道]]43号に昇格、1965年からは国道43号として現在に至ります。国道43号の一部区間は、中国街道を拡幅・利用して整備されていると言えるでしょう。

沿線の史跡と名所

中国街道沿線には、歴史を感じさせる数々の史跡や名所が残されています。

高麗橋 (大阪市中央区): 街道の起点
難波橋 (大阪市北区): 重要な渡河地点
綱敷天神社 (大阪市北区): 街道沿いの神社
鶴乃茶屋跡 (大阪市北区): かつて旅人の休憩場所だったと思われる場所
十三の渡し (大阪市淀川区): 淀川を渡る重要な渡し場
神崎の渡し (尼崎市): 重要な渡河地点
遊女塚 (尼崎市): 悲しい歴史を伝える塚。讃岐国へ流される途中の遊女たちが身を投げたという伝説が残る。
残念さんの墓 (尼崎市): 蛤御門の変で自決した長州藩士、山本文之助の墓。
大物主神社 (尼崎市): 街道沿いの神社
大物崩れ戦跡 (尼崎市): 歴史的な戦いの跡
尼崎城跡 (尼崎市): 街道沿いの城跡
琴浦神社 (尼崎市): 街道沿いの神社
雉ガ坂伝説地 (尼崎市): 雉にまつわる伝説が残る場所
岡太神社 (西宮市): 街道沿いの神社
鳴尾の孤松 (西宮市): 街道沿いのシンボル的な松
長蘆寺 (西宮市): 街道沿いの寺

これらの史跡は、中国街道の歴史と文化を伝える貴重な遺産であり、当時の賑わいを偲ばせるものです。

まとめ

中国街道は、単なる街道ではなく、大坂と西宮を繋ぐ歴史と文化の道です。街道沿線の史跡や名所を訪れることで、日本の歴史を肌で感じることができるでしょう。現代の道路整備にもその歴史が息づいていることを考えると、改めてこの街道の重要性を認識できます。今後、街道の歴史と文化を保護・継承していくことが重要です。

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