西室蘭駅

西室蘭駅の概要

西室蘭駅（にしむろらんえき）は、北海道室蘭市小橋内町に存在していた日本国有鉄道室蘭本線の貨物駅です。この駅は、貨物支線の廃止に伴い1985年に廃駅となりました。事務管理コードは▲130371という番号が付与されており、歴史的にも重要な役割を果たしました。

歴史的背景

昭和30年代、室蘭港は工業専用の埠頭が大部分を占め、一般貨物の扱いには限界がありました。そのため、市は新たに公共埠頭を建設することを決定し、室蘭駅と新たな西埠頭を結ぶ貨物支線を設けることになりました。この計画の一環として、1960年に西室蘭駅が開設され、主に車扱貨物の取り扱いを行いました。

この貨物支線は、明治の後期から続く倉庫専用線を使って拡張されており、室蘭港の発展に寄与する形で機能していました。不幸なことに、西埠頭の貨物取り扱い量は徐々に減少し、特に苫小牧港など他の港の整備が進むにつれてその傾向が顕著になりました。また、貨物輸送がトラックにシフトしたこともその要因の一つです。最終的に1985年3月14日に実施された国鉄ダイヤ改正に伴い、駅及び貨物支線が廃止されることになりました。

年表

• - 1959年（昭和34年） 3月21日：西1号埠頭建設工事完了。
• - 1960年（昭和35年） 2月10日：西1号埠頭の陸上高架桟橋開通。 5月10日：当駅開設。 8月1日：西1号埠頭に石炭積出し設備設置。
• - 1964年（昭和39年） 西2号埠頭建設工事完了。2月3日：西3号埠頭に水産物卸売市場開設。
• - 1967年（昭和42年） 3月31日：西3号埠頭工事完了。
• - 1985年（昭和60年） 3月14日：公共臨港線の廃止に伴い、当駅も廃駅となる。

駅構造

西室蘭駅は、海側に多くの留置線があり、山側には上屋付きの貨物ホームを有していました。この駅は、隣接する西1号から西3号までの各埠頭へも側線を持ち、周囲にある工場や倉庫にも接続されていました。これにより、効率的な貨物の取り扱いが可能でした。

駅周辺の環境

駅周辺には北海道道699号室蘭港線が通っており、楢崎製作所や函館どつく室蘭製作所という重要な工場も近くに位置しています。こうした工場は、当駅が運営されていた時代においても、重要な経済活動に寄与していました。

駅跡

西室蘭駅のホーム跡地には、現在、ツルハドラッグ室蘭築地店やイエローグローブ白鳥大橋蘭西店が建っています。これらの店舗はかつての駅の名残を感じさせますが、構内の大部分は空き地として放置されています。

隣接する駅

• - 室蘭本線貨物支線 室蘭駅 - 西室蘭駅

この駅は、北海道の物流にも影響を及ぼした歴史を持つ場所であり、今でも地域の思い出の一部となっています。

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