西宮市立夙川小学校

概要

西宮市立夙川小学校（にしのみやしりつしゅくがわしょうがっこう）は、兵庫県西宮市久出ケ谷町に位置する公立の小学校である。この学校は、夙川の豊かな自然に囲まれた地域で、長年にわたり多くの児童を育んできた。

沿革

学校の歴史は、1936年（昭和11年）4月1日に「西宮市立夙川尋常小学校」として第一歩を踏み出したことから始まる。開校から2年後の1938年（昭和13年）12月1日には校旗が制定され、学校のシンボルが誕生した。太平洋戦争中の1941年（昭和16年）には校歌が制定されるとともに、国民学校令に伴い同年4月1日には「西宮市立夙川国民学校」と改称された。また、同年4月17日には西校舎が竣工しているが、この建物は後に1952年（昭和27年）2月16日に焼失している。戦後の教育改革により、1947年（昭和22年）4月1日には現在の名称である「西宮市立夙川小学校」に改称された。

戦後復興期には、学校施設の整備が進められた。1950年（昭和25年）6月25日には北校舎（2号館）、1951年（昭和26年）9月28日には講堂（仲良しホール）が竣工。焼失した西校舎も1953年（昭和28年）4月7日に復興建築が完成（3・4号館）した。その後も1954年（昭和29年）7月12日の給食室、1957年（昭和32年）8月5日の学校プール、同年11月30日の特別教室（理科・図書室）など、教育環境の拡充が続いた。1959年（昭和34年）には校庭スタンドと西校庭が整備され、運動施設も充実した。

1960年代に入ると、学校を取り巻く環境に変化が見られた。1966年（昭和41年）4月1日には、新たに開校した西宮市立北夙川小学校への児童転出があり、それに伴う校区変更も実施された。同年11月12日には創立30周年記念式典が挙行された。1968年（昭和43年）4月1日には西宮市立夙川幼稚園が小学校に併設されたが、この幼稚園は1981年（昭和56年）4月1日に独立分離している。校舎の増築も進み、1968年11月16日には本館が増築された（現在の東館西部分）。運動場についても、1969年（昭和44年）にスタンド撤去と拡張が行われ、1982年（昭和57年）には改良工事が完了している。

創立50周年を迎えるにあたり、1985年（昭和60年）から記念事業の準備が進められ、1986年（昭和61年）11月9日には記念式典が盛大に挙行された。この頃、近隣中学校の過密解消のため、一部校区の変更も行われている。1989年（平成元年）には、老朽化した2・3・4号館の解体と、新しい西校舎・プールの建設という大規模な改築が行われた。新校舎は同年4月5日に使用が開始され、6月には披露作品展が開催された。

1995年（平成7年）1月17日に発生した阪神・淡路大震災では、学校が避難所として開設され、約1200人もの被災者を受け入れた。避難所は4月23日に閉鎖されたが、震災からの復旧は学校にも大きな影響を与えた。同年夏には運動場復旧工事が完了し、震災義援金による「愛の果樹園」も完成した。震災の記憶を伝える取り組みとして、1996年（平成8年）1月13日には慰霊碑、同年3月18日には「生命を育む自然池」が完成している。

教育内容においても、時代に応じた様々な研究指定を受け、その成果を地域や教育界に発信してきた。1994年（平成6年）には福祉教育推進協力校や西宮市教育委員会研究校（総合学習）に指定された。2001年（平成13年）には西宮市教育委員会研究校（全領域）、2002年（平成14年）には文部科学省道徳教育推進校に指定され、公開授業や研究発表会を実施するなど、学校教育の質の向上に努めてきた。東館の大規模補修も2000年（平成12年）に行われている。

校区と進路

西宮市立夙川小学校の卒業生は、その居住する地域によって進学する中学校が異なる。具体的には、羽衣町、霞町、松園町、大谷町、御茶家所町、郷免町の各地域に居住する児童は西宮市立大社中学校へ、それ以外の地域の児童は西宮市立苦楽園中学校へそれぞれ進学することになる。

関係者

本校には、教育に携わった著名な人物や、後に各界で活躍する卒業生がいる。教職員としては、児童文学作家として知られる岡田淳が、図画工作専科の教師として在職した時期がある。出身者としては、女優の小南満佑子や、福井テレビジョン放送でアナウンサーを務めた桑原達秋などが名を連ねている。また、学校の運営は開校以来、多数の校長によって担われてきた。初代校長の原田碵司をはじめ、堀毛良太郎、西村弥三治、中井彦三郎、森良夫、山田武、西垣貞夫、木村勝、松田博隆、橋詰ケイ子、塩住義一、小森正、米山道宏、中島剛、辻井八代子、西村光彦、水永道博、山口修、そして第19代校長の安部伸一に至るまで、多くの教育者が学校の発展に貢献してきた。

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