西山松之助

西山松之助

西山松之助（にしやま まつのすけ、1912年6月28日 - 2012年1月8日）は、日本の歴史学者で、東京教育大学の名誉教授を務めました。彼の研究は、日本の近世文化史に深く根ざしており、特に家元制度の実証的な研究で知られています。歴史学者の竹内誠を弟子として育てました。

経歴

1912年、兵庫県赤穂市有年村に生まれた西山松之助は、1932年に姫路師範学校を卒業後、東京高等師範学校へ進学しました。1937年に同校を卒業し、東京文理科大学史学科で国史学を専攻、1940年に卒業しました。学生時代には臨済禅の修行にも励み、「蔵雲」の道号を授かっています。

卒業後は母校である東京高等師範学校の助手として教鞭を執り始め、1944年に助教授、1949年には教授へと昇進しました。1949年5月の新制東京教育大学発足に伴い、東京高等師範学校は包摂される形で、1950年より東京教育大学の助教授となりました。1961年には、学位論文『家元の研究』を東京教育大学に提出し、文学博士の学位を取得。1964年に教授に昇格し、1976年に東京教育大学を定年退官、名誉教授となりました。退官後は成城大学教授として後進の指導にあたりました。2012年1月8日、老衰のため99歳で生涯を閉じました。

受賞・栄典

西山松之助の学術的な功績は広く認められ、数々の栄誉に輝きました。

1985年：勲三等旭日中綬章を受章
1986年：東京都文化賞受賞
1992年：赤穂市名誉市民章

研究内容・業績

専門は近世日本文化史であり、特に家元制度に関する実証的な研究で多大な業績を残しました。1966年には芳賀登、竹内誠、宮田登らと共に「江戸町人研究会」を設立し、主宰しました。研究活動の傍ら、書画や茶杓作りを趣味としていました。

家族・親族

夫人の古賀フミは染色家であり、重要無形文化財「佐賀錦」の保持者として知られています。

著作

著書

『西山松之助著作集』全8巻 吉川弘文館, 1982-85
オンデマンド版 2013

共著編著

『江戸の芸能と文化』西山松之助先生古稀記念会 吉川弘文館, 1985
『江戸の民衆と社会』西山松之助先生古稀記念会 吉川弘文館, 1985

関連項目

江戸の火事

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