西岡研介

西岡研介について

西岡研介（にしおか けんすけ）は、1967年7月21日生まれの日本のライターです。大阪府出身で、同志社大学法学部を卒業後、神戸新聞社に入社。社会部記者として、阪神・淡路大震災や神戸連続児童殺傷事件などの取材に携わりました。

『噂の眞相』での活躍

1998年、西岡はかねてから愛読していた『噂の眞相』に転職。公安記事などの硬派なネタを担当し、則定衛東京高等検察庁検事長のスキャンダルや、森喜朗内閣総理大臣の買春検挙歴報道などをスクープしました。その功績が認められ、2年連続で編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞を受賞。この時期の活躍は、西岡のジャーナリストとしての評価を確立しました。

『週刊文春』、『週刊現代』へ

2001年、『噂の真相』を退社し、『週刊文春』の専属記者となります。その後、2006年には『週刊現代』に移籍し、JR東日本労組（JR東労組）問題をテーマにした連載「テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実」を執筆。この連載で、3度目の編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞を受賞し、2008年には連載をまとめた書籍『マングローブ　テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実』で講談社ノンフィクション賞を受賞しました。

その他の活動

西岡は、2010年に暴力団後藤組の元組長後藤忠政の自伝『憚りながら』のインタビューと構成を担当。この書籍は、暴力団と創価学会の関係を当事者が明かしたことで大きな話題となり、ベストセラーとなりました。

JR東日本労組を巡る報道と批判

「テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実」は、ジャーナリズム賞を受賞した一方で、名誉毀損裁判の対象にもなりました。記事に書かれていない内容で、JR東労組とその上部団体JR総連の組合員個人から訴訟が相次ぎましたが、西岡はこれらの裁判で勝訴しました。

しかし、松崎明元JR東労組会長から提訴された裁判では、一部の記述が名誉毀損にあたるとされ、損害賠償を命じられました。また、JR東労組、JR総連などが講談社と西岡を提訴した裁判でも、講談社と西岡が賠償金を支払うよう命じられました。

これらの裁判では、西岡の情報源が警察庁や警視庁の幹部であることが明らかになり、公安情報に依存していることが批判されました。かつて反権力雑誌で活躍した西岡が、公安の意図したJR東日本労組批判キャンペーンの役割を担ったのではないかと指摘されています。しかし、西岡自身は、公安情報だけでなく「マングローブ」元幹部からも情報を得ていること、権力側からの情報であってもジャーナリストとして情報を得ることは当然であると反論しています。

福岡市「教師によるいじめ」事件についての報道

西岡は、『週刊文春』で報道した福岡市「教師によるいじめ」事件の記事について、マスコミによる冤罪事件の火付け役の一端を担ったと批判されています。西岡は、裁判では教師のいじめや体罰が認定されているとして、自身の報道を誤報だとする主張に反論しています。

「週刊実話」訂正謝罪への関与

「週刊実話」が掲載した記事について、西岡が編集部に圧力をかけて訂正と謝罪をさせたという指摘があります。この件についても、西岡の行動の是非が問われています。

著書

西岡は、ジャーナリズムや社会問題に関する著書を多数出版しています。

スキャンダルを追え!『噂の真相』トップ屋稼業（講談社、2001年）
マングローブ—テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実 （講談社、2007年）
襲撃 中田カウスの1000日戦争（朝日新聞出版、2009年）
俺たち訴えられました! SLAPP裁判との闘い（河出書房新社、2010年）- 烏賀陽弘道との対談の共著
ふたつの震災［1・17］の神戸から［3・11］の東北へ（講談社、2012年） - 松本創との共著
百田尚樹『殉愛』の真実 （宝島社、2015年） - 角岡伸彦、家鋪渡（やしきたかじんの弟）、宝島「殉愛騒動」取材班との共著

まとめ

西岡研介は、そのジャーナリズム活動において、数々のスクープをものにしてきた一方で、批判や裁判の対象にもなってきました。彼の活動は、ジャーナリズムのあり方や報道の責任について、常に議論を呼んでいます。

もう一度検索