西川慎一

西川 慎一（にしかわ しんいち）

愛媛県大洲市に1967年2月26日に生まれた西川慎一は、プロ野球で投手として活躍した人物である。

アマチュア時代

地元の愛媛県立大洲農業高等学校を卒業後、NTT四国に進んだ。社会人野球では、後にプロで活躍する渡辺智男や、同じ左腕である山部太といった実力派の投手たちと共にプレーし、腕を磨いた。

プロ入りと近鉄バファローズ時代

1993年度のプロ野球ドラフト会議において、西川は近鉄バファローズを逆指名した。ドラフト当日、近鉄から2位指名を受け、契約金8000万円、年俸1000万円の条件で仮契約を結び、プロの世界へと足を踏み入れた。即戦力左腕としての期待は高かったが、プロ入り当初は期待に応える活躍とはならず苦しい時期を過ごす。

転機が訪れたのは1996年のシーズン後半。リリーフ投手として一軍での登板機会が増え始めると、徐々に安定感を見せるようになる。そして1997年には51試合、翌1998年にはチーム最多となる61試合に登板し、勝利の方程式を担う中継ぎ投手としてチームの柱に成長した。しかし、1999年以降はかつての投球内容が見られなくなり、不振に陥ってしまう。

阪神タイガースへの移籍

2000年シーズン途中、近鉄時代の不振から脱却できずにいた西川は、杉山賢人との1対2の交換トレードにより、吉田剛と共に阪神タイガースへ移籍することとなった。心機一転、新たな環境に身を置いた移籍初年度は、左の中継ぎとしてチームに貢献する活躍を見せた。しかし、またしても翌年以降は成績が低迷し、登板機会が激減。2002年シーズン終了後、阪神を自由契約となった。

広島東洋カープ時代と現役引退

自由契約となった西川は、新たな所属球団を求め、広島東洋カープのテストを受けて入団した。しかし、ここでもかつての輝きを取り戻すことはできず、目立った成績を残すことはできなかった。そして2004年シーズン終了をもって現役を退くことを決意する。現役最後の登板は、同年4月4日にナゴヤドームで行われた中日ドラゴンズ戦だった。同点で迎えた11回裏、一打サヨナラの場面で、打者立浪和義に対するワンポイントリリーフとしてマウンドに上がったが、無情にも初球を打たれ、サヨナラ負けを喫するという、劇的かつほろ苦い幕切れとなった。

引退後の活動

プロ野球選手としてのキャリアを終えた後は、地元愛媛県に戻り、実家が経営する飲食店を継いだ。セカンドキャリアとして飲食業の道へ進む傍ら、2013年にはBS-TBSの番組『徳さんのお遍路さん 四国八十八カ所 心の旅』に出演。番組内で、現役時代の様々な思い出、特に巨人・松井秀喜選手を抑えた経験や、高橋由伸選手、そして最後の対戦相手となった立浪和義選手にサヨナラ打を浴びたエピソードなどを披露し、その波乱に満ちた野球人生を振り返った。

主な記録

初登板： 1994年4月24日、対オリックス・ブルーウェーブ戦（藤井寺球場）
初先発： 1994年5月1日、対西武ライオンズ戦（藤井寺球場）
初奪三振： 1996年4月10日、対千葉ロッテマリーンズ戦（千葉マリンスタジアム）、ジャック・ドウティーから
初勝利： 1997年6月29日、対西武ライオンズ戦（西武ライオンズ球場）
その他の記録： 同一シーズンに2球団で勝利投手となる（2000年、史上7人目）

背番号

26 （1994年 - 2000年途中、近鉄）
69 （2000年途中 - 2002年、阪神）
60 （2003年 - 2004年、広島）

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