西徳二郎

西徳二郎：日本外交の先駆者

西徳二郎（1847年9月4日 - 1912年3月13日）は、日本の外交官および枢密顧問官であり、薩摩藩出身の男爵として歴史に名を刻んでいます。彼は日本の外交史における重要な役割を果たし、特にロシアとの関係構築に尽力しました。

生い立ちと教育

西徳二郎は、鹿児島城下樋之口町に生まれ、父は西藤左衛門勝成、母は加納ヒロです。若い頃から藩校造士館で和漢洋の学問を学び、1868年の戊辰戦争では長岡戦争に従軍しました。明治2年には上京し、昌平学校で外国語を学び始めます。その後、ロシアへ留学することを決意し、1870年にはペテルブルク大学に入学しました。法政学を専攻し、懸命に学びながらも、自費で残留し続けた結果、1876年には同大学を卒業しました。

ロシアでの活動

大学での学びを生かし、卒業後にはペテルブルクの新聞社に勤務しながら、ロシアの軍港建設計画に関する情報を入手して日本政府に報告しました。この情報は、日本政府による朝鮮への介入を促し、ロシアの計画を挫折させることに成功しました。1876年にはフランス公使館の書記官に就任し、その後ロシア公使館へ勤務します。ロシアにおける政務に関与する中で、社交界でも名を馳せました。

駐露公使としての業績

1886年に駐ロシア公使に任命されると、西根は10年以上にわたってこの職務を遂行しました。在任中、日清戦争や三国干渉に関する情報収集を行い、特に三国干渉に際しては、ロシアの動向を敏感に察知し、陸奥宗光外相に報告していました。彼の外交的手腕により、日本はロシアとの交渉を有利に進めることができました。また、対韓国政策においても西・ローゼン協定を結ぶなど、日本の朝鮮半島への経済進出を促進しました。

義和団の乱と帰国後の活動

1900年に義和団の乱が発生すると、西は北京籠城戦を経験し、日本人居留者の保護に尽力しました。この時の彼の行動は後の日本と中国の関係に影響を与える重要な経験でした。その後、彼は帰国し外務大臣として活躍し、1897年からは枢密顧問官にも任じられました。

晩年と死

西徳二郎は1912年3月13日に亡くなりました。彼の著作である『中亜細亜紀事』や彼の生涯の記録は、後世に多大な影響を与え、外交官としての功績を称えられています。また、彼の家族も活躍し、息子の西竹一は1932年のロサンゼルスオリンピックにおいて金メダルを獲得しました。彼自身の業績と共に家族の歴史も日本の外交史に名を刻んでいます。

まとめ

西徳二郎の生涯は、日本の外交史の中で重要な一章を成しています。彼の国際的な視野と経験は、当時の日本における外交政策の進展に寄与し、また彼の留学経験は後の次世代の外交官たちに多大な影響を与えることに繋がりました。

もう一度検索