西竹一

西竹一（にし たけいち）の生涯と業績

西竹一は、1902年7月12日に東京で生まれた陸軍軍人で、華族でもありました。彼は陸軍でのキャリアを持たずに教養を深め、特に馬術において卓越した才能を発揮し、1932年のロサンゼルスオリンピックにおいて金メダルを獲得しました。この金メダルは日本にとって、馬術競技での唯一の金メダルであり、2024年までこの称号は保持されました。

生い立ちと家族背景

西竹一は男爵・西徳二郎の三男として育ちました。幼少期には母が家を出てしまい、父は外務大臣や枢密顧問官として活躍していました。父の影響を受け、西は学業に励み、特に学習院で教育を受けました。1912年に父が亡くなると、彼は男爵の地位を継ぎました。彼の家族には海軍大将の孫や伯爵の家系の親戚が多く、武子という名の妻がいて、彼らには三人の子供がいました。

陸軍士官学校と騎兵時代

西は1920年に陸軍中央幼年学校に入校し、その後陸軍士官学校に進みました。彼は騎兵を望み、その夢を実現し、陸軍騎兵少尉としての任官を果たしました。日本陸軍の騎兵部隊は当時の花形職種であり、西もその一員として輝かしいキャリアを築いていきました。

オリンピックでの金メダル獲得

1930年にはロサンゼルスオリンピック出場のためにアメリカやヨーロッパを訪れ、運命的な馬ウラヌスと出会います。この馬との出会いが彼にとっての人生を変えることになります。オリンピックでは、騎馬障害飛越競技で金メダルを獲得し、「バロン西」として国際的な名声を得ました。その成功は多くの人々に感銘を与えましたが、当時の在米日本人や日系アメリカ人から特に支持を受けました。

ベルリンオリンピックとその後

1936年のベルリンオリンピックにも参加しましたが、その競技では期待に応えることができず、メダルには届きませんでした。帰国後、西は陸軍騎兵大尉に昇進し、更に教官として陸軍騎兵学校で教えました。

硫黄島の戦いと戦死

第二次世界大戦が進行する中で、西は硫黄島の戦いにおいて戦車第26連隊の指揮官になりました。彼の指揮の下、連隊はアメリカ海兵隊との激戦に直面し、いくつもの激しい戦闘を繰り広げました。しかし、戦闘は厳しく多くの戦車が撃破される中で、彼自身もまた戦死しました。彼は1945年3月22日に硫黄島での戦闘中に命を落とし、42歳の若さでした。未だに彼の戦死の詳細は不明な点が多いですが、彼の名前は今も語り継がれています。

死後の影響と遺産

西の死後、彼は陸軍大佐に昇進しました。その墓所は青山霊園にあり、彼の偉業は今も評価されています。また、彼が育てたウラヌスも西が亡くなった約一週間後に亡くなったと言われています。西の金メダルや彼の愛用の品々は現在も所蔵され、彼の功績を後世に伝えています。彼の生涯は日本の歴史において特別な存在であり、今後も語り継がれていくことでしょう。

もう一度検索