西村保吉

西村保吉

西村保吉（にしむら やすよし / やすきち、1865年8月12日（慶応元年6月21日） - 1942年（昭和17年）1月15日）は、日本の内務・朝鮮総督府官僚であり、官選県知事も務めた人物です。

生い立ちと初期の経歴

1865年、伊予国宇和島（現在の愛媛県宇和島市）で、宇和島藩士の西村景信の長男として誕生しました。西村は、愛媛県宇和島区裁判所や県庁に職員として勤務した後、1890年に普通試験に合格。その後、愛媛県宇摩郡の書記や、県属・内務局勤務などを歴任し、官僚としてのキャリアをスタートさせました。

1901年11月には、文官高等試験行政科試験に合格し、本格的な官僚としての道を歩み始めます。

地方官僚としての活躍

西村は、宮崎県参事官、山口県参事官、長野県事務官・第二部長、北海道庁事務官・第六部長、同土木部長、同拓殖部長、広島県内務部長、愛知県内務部長など、様々な地方の要職を歴任しました。これらの経験を通じて、地方行政に関する深い知識と経験を培いました。

特に、北海道庁では土木部長や拓殖部長を歴任し、北海道の発展に大きく貢献しました。また、広島県や愛知県では内務部長として、地方行政の中枢を担いました。

島根県知事、埼玉県知事、朝鮮総督府での活動

1917年1月、西村は島根県知事に就任しました。在任中には、県政の長期的なビジョンとして、産業十年計画を策定し、県内の産業振興に尽力しました。この計画は、その後の島根県の発展に大きな影響を与えたと言われています。

1919年6月には、埼玉県知事に転任。しかし、同年8月には、朝鮮総督府殖産局長に転任し、朝鮮半島における殖産事業の推進に携わりました。1924年12月に辞職し、官界を退きました。

退官後の活動

退官後は、伊達家顧問や維新史料編纂会委員を務め、その知識と経験を活かしました。

まとめ

西村保吉は、地方官僚として、また県知事、朝鮮総督府官僚として、日本の発展に貢献した人物です。特に島根県知事時代に策定した産業十年計画は、彼の優れた政策立案能力を示すものとして知られています。その生涯を通じて、日本の地方行政と殖産事業の発展に尽くした人物として、その功績は記憶されるべきでしょう。

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