西条古墳群

西条古墳群について

西条古墳群（さいじょうこふんぐん）は、兵庫県加古川市の山手に位置する古墳の集まりです。この場所には現在、国の史跡に指定されている3つの古墳が残されています。かつては多数の古墳が存在したものの、宅地開発などによって多くが消滅してしまったことが残念です。

古墳群の概要

この古墳群は、兵庫県南部の印南野台地から北に延びる細長い段丘上に築かれています。この地域には、もともと何十基もの古墳があったと考えられていますが、現在確認できるのは前方後円墳の「行者塚古墳」と、2基の円墳である「人塚古墳」と「尼塚古墳」です。特に行者塚古墳は、950メートルという大きな墳丘を持つ前方後円墳で、3段に築かれています。この墳丘には4つの造出があり、周囲には周濠も設けられています。

行者塚古墳では、後円部の中心にある粘土槨から古代の馬具が出土し、朝鮮半島や中国との交流を示唆する副葬品も確認されています。さらに、造出の一箇所については詳細な調査が行われており、その祭祀の様相についても研究が進んでいます。

他の古墳の特徴

人塚古墳と尼塚古墳は、いずれも大型の円墳で、墳丘は2段に築かれています。これらの古墳にも造出があり、周囲には周濠があるものの、埋葬施設に関してはまだ調査が行われていません。また、消滅した小型の古墳も存在し、その中で西条52号墳は弥生時代終末期の墳丘墓として、内行花文鏡が出土している点が注目されています。

これらの古墳は、古墳時代中期の5世紀頃に造られたと考えられています。周辺には西条廃寺跡という後世の古代寺院跡も存在し、西条丘陵が古代の東播磨地方の重要な中心地であったことを示しています。

国の史跡に指定

西条古墳群は1973年（昭和48年）に国の史跡に指定され、現在は整備された状態で一般に公開されています。史跡の保存や研究のために行われる発掘調査も進んでおり、地域の歴史や文化に対する理解が深まっています。

関連施設

西条古墳群の出土品などは、加古川市総合文化センター博物館で保管・展示されています。この博物館を訪れることで、古墳群の重要性や当時の文化をより深く知ることができるでしょう。古墳群の保存と研究は、地域の歴史を伝えるために欠かせない取り組みとなっています。

以上が西条古墳群の要点です。古代の人々の営みや信仰を感じさせるこの場所は、地域のアイデンティティを象徴する重要な存在です。

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