西武モハ550形電車

西武モハ550形・クハ600形電車

概要

西武鉄道の前身である旧西武鉄道が1927年に導入したモハ550形電車とクハ600形電車は、当時の新たな交通手段として長年活躍しました。これらの電車は、現在の西武新宿線、国分寺線、そして西武園線に相当する路線で運行されていました。

これらの車両は、村山線の開業に伴い増備され、モハ550形は制御電動車として、クハ600形は制御車として設計されました。1927年に川崎造船所で生産された初の10両に続き、翌年にはさらなる2形式10両が追加され、合計20両が製造されました。

車両の仕様

これら鉄道車両の車体は全鋼製であり、長さは約17メートル。湾曲した屋根とアーチ形水切りを持つ外観が特徴で、いわゆる「川造形」と称されるスタイルで知られています。この設計は、当時他の鉄道事業者に導入されていたものと共通点を持ちますが、本形式の場合、前面が3面折妻形状であり、非貫通デザインである点が際立っています。登場当初、モハ550形は前照灯を窓下中央に設置しており、「おへそライト」としても知られていました。

客室の座席配置はロングシートであり、快適な移動を提供したことで、利用者に親しまれました。

改番の歴史

1940年5月には、モハ100形101-112およびクハ1100形1101-1108に改番され、その後は1948年の合併に伴い、モハ151形151-162とクハ1151形1151-1158へ再改番されます。1955年にはモハ161とモハ162が電装解除され、クハ1159とクハ1160に改番されました。

さらに、1964年にはモハ156も電装解除されてクハ1156（2代）として再指定されましたが、その後の新車両の導入により、1964年から1966年にかけて順次廃車されました。全車両は地方の私鉄に譲渡されています。

譲渡された先の動向

譲渡先の津軽鉄道での運用では、1965年に3両がナハフ1200形に改造され、運転台が撤去されて客車化されました。弘南鉄道にも2両が譲渡され、長い間運行されました。山形交通では再電装化され、高畠線で使用された後、別の鉄道会社へ譲渡され、モハ110形740番台となっています。

大井川鉄道や東濃鉄道、伊予鉄道にも譲渡され、それぞれの地域で再編成されながら、一定の期間運行されています。

現在、磁界車両としての存在感を持つ津軽鉄道のナハフ1200形は、イベント用車両として利用されていますが、全体としては年数を経て車体の劣化が進んでいるのが現状です。2024年現在でも、津軽鉄道に現存しており、車体が傷みつつも歓声を寄せられています。

結論

西武モハ550形電車とクハ600形電車は、地域交通の発展に寄与した歴史的な存在であり、さまざまな鉄道運営者に受け継がれ、近代的な形態へと変遷を遂げました。このように、歴史ある車両が地域の人々に影響を与えた様子は、今なお多くの人々にとって特別な思い出として記憶されています。

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