西武411系電車

西武411系電車の概要と変遷

概要

西武411系電車は、1964年から1968年にかけて西武鉄道に在籍していた通勤形電車です。当初は吊り掛け駆動方式で製造されましたが、その後高性能化改造が実施され、401系電車（2代）として改称されました。この記事では、主に401系としての動向について詳しく見ていきます。

製造の背景

411系電車は、701系列の増備に伴う増結用途として新製されました。製造は西武所沢車両工場で行われ、制御電動車クモハ411形と制御車クハ1451形の2両編成で構成されました。全ての車両が1968年までに完成し、19編成38両が西武のラインナップに加わりました。

車体とデザイン

411系電車は、全金属製の3扉車体を特徴としており、車体塗装はディープラズベリーとトニーベージュの2色仕立てでした。しかし湘南型前面ではなく、451系に似た切妻形状に変更されるなど、デザインにも工夫が施されています。

側面は701系と同様の窓配置を持ち、開閉可能な二段上昇窓を備えており、510系から受け継いだ構造となっています。車内はロングシート仕様で、701系と同じく快適な通勤輸送に配慮された設計となっています。

主要機器

411系は701系列のカルダン駆動車に対して、吊り掛け駆動方式の旧性能仕様で製造されました。主電動機はMT15Eを使用し、制御器は電空カム軸式CS5と界磁接触器CS9との組み合わせを採用。これらの仕様により、安定した性能を発揮しました。

台車に関しては、電動車には安定した走行性能を持つ釣合い梁式TR14Aが利用され、高さ調整などにも優れた設計となっています。補器類は半自動化されており、運転の効率化が図られました。

401系への改称

1975年から1978年にかけて、701系列の車両は冷房化および改善工事の対象となり、これに伴って411系も高性能化改造が実施されました。これらの改造は全車両に及び、その結果、411系は401系へと改称されました。特に重要なのは、旧クハ1451形が電装され、全車両が電動化されたことです。

改造後の使用状況

高性能化改造後、401系は701系列と共に運用され、主に増結用途として重宝されました。しかし、次第に新型車両の導入が進む中で、1990年代には徐々に運用を離脱されました。特に多摩川線や多摩湖線においても期間限定での運用が行われたものの、最終的には全ての編成が除籍されることとなりました。

譲渡と現状

最終的に西武411系は、除籍後にすべての車両が地方私鉄へ譲渡されました。上信電鉄、三岐鉄道、近江鉄道の3社にそれぞれ譲渡され、現在も一部車両は現役で使用されています。特に近江鉄道に譲渡された編成は、現役で活躍を続けている点が興味深いところです。

このように、411系電車の歴史は、製造から改造、そして運用にいたるまで、多くの変遷を辿ってきました。それは西武鉄道の発展の一部でもあり、今後の鉄道車両の歴史においても記憶されるべき存在です。

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