西浦駅

西浦駅（にしうらえき）

愛知県蒲郡市西浦町に位置する、名古屋鉄道（名鉄）蒲郡線の鉄道駅です。駅番号はGN18が付与されています。かつては駅構内に西浦車庫が併設されていましたが、これは後に廃止されています。

概要

当駅は、愛知県蒲郡市の主要観光地である西浦温泉へのアクセス拠点として機能しています。最寄りの温泉街までは徒歩でおよそ20分ほどの距離があり、観光協会によるシャトルバスも運行されています。

かつて観光輸送の重要拠点として、2005年（平成17年）1月28日までは特急・急行列車が停車し、当駅を終着とする特別列車も設定されていました。しかし、近年のレジャー形態の変化に伴い、観光客の利用は減少傾向にあり、現在は地域住民の通勤・通学利用が主体となっています。

蒲郡線の列車運行において、当駅は昼間の時間帯に行き違いを行う駅として重要な役割を担っています。なお、ICカード乗車券manaca（マナカ）を含む、交通系ICカードは現在当駅では利用できません。

歴史

西浦駅の歴史は以下の通りです。

1936年（昭和11年）7月24日 - 三河鉄道の駅として宝飯郡西浦村に開業しました。
1947年（昭和22年） - 駅構内に併設されていた西浦車庫が廃止されました。
1963年度（昭和38年度） - 鉄道貨物営業が廃止されました。
1998年（平成10年）6月1日 - 駅係員が不在となり、無人駅となりました。
2022年（令和4年）12月 - 長年使用されてきた駅舎が解体されました。
2024年（令和6年）3月23日 - 駅舎跡地に新しい待合所が完成し、利用が開始されました。

駅構造

当駅は地上駅で、1面2線の島式ホームを有しており、列車の行き違いが可能です。ホームの他に、側線や保線車両のための留置線も備えています。ホームの有効長は4両編成に対応しています。

現在は駅集中管理システムが導入されていない無人駅です。かつて駅舎があった頃には自動券売機が設置されていましたが、駅舎解体前に撤去され、代替としてホーム上に乗車駅証明書発行機が設置されています。

旧駅舎の解体後、蒲郡市がおよそ3600万円の費用を投じ、トイレを併設した待合所が駅舎跡地に建設されました。この待合所のデザインは、蒲郡市が主催した「がまごおり公共建築学生チャレンジコンペ2023」で全国の学生から募集した案の中から、横浜国立大学大学院の学生グループによる「風透る屋根の下で」という案が最優秀作品として選ばれ、実現したものです。待合所の支柱と登り梁は二重構造となっており、屋根の内側にはルーバーが採用されています。これは、木漏れ日のような柔らかな光を取り入れ、自然との調和を図るための工夫です。

のりば

駅舎側: 蒲郡方面
反対側: 吉良吉田方面

利用状況

当駅の乗降人員は、時代の変遷とともに変化しています。

『名古屋鉄道百年史』によると、1992年度の1日平均乗降人員は1,724人であり、名鉄全駅中で182位、西尾線・蒲郡線内では7位でした。

一方、『名鉄120年：近20年のあゆみ』によれば、2013年度の1日平均乗降人員は944人に減少しており、名鉄全駅中229位、西尾線・蒲郡線内では14位となっています。これらのデータから、バブル期以降の利用者の減少傾向がうかがえます。

西浦車庫

駅構内には、かつて西浦車庫が設けられていました。これは、三河鳥羽駅と蒲郡駅の間が非電化で開業した際に、この非電化区間で使用される蒸気機関車やガソリンカーの留置、整備を行う基地として、駅の開業と同時に開設されたものです。

その後、1947年までに三河鳥羽駅から蒲郡駅までの区間が電化されたことで、非電化車両の整備拠点が不要となり、西浦車庫も廃止されました。

駅周辺

西浦温泉 - 駅からは徒歩で約20分。前述の通りシャトルバスも利用可能です。
無量寺 - 駅の北方にあり、徒歩約5分ほどの距離です。
愛知県道493号西浦停車場線 - 駅前に延びる県道です。
愛知県道322号深溝西浦線（温泉街道）
愛知県道321号東幡豆蒲郡線（幡豆街道）
バス路線 - 駅前には名鉄バスの「西浦駅前」バス停が設置されています。

隣の駅

名古屋鉄道 蒲郡線

こどもの国駅（GN17）- 西浦駅（GN18） - 形原駅（GN19）

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