西海讃歌

西海讃歌（さいかいさんか）

概要

「西海讃歌」は、詩人・藤浦洸の原詩に、作曲家・團伊玖磨が曲をつけた、合唱と管弦楽のための壮大な楽曲です。正式名称は「合唱と管弦楽による『西海讃歌』」といい、「佐世保市民に捧ぐ」という副題がついています。この曲は、1969年（昭和44年）に長崎県で開催された国体と、佐世保市民管弦楽団の第5回定期演奏会を記念して作曲されました。佐世保市民管弦楽団の理事長であった富永雄幸（佐世保中央病院院長）が、「西海国立公園を舞台とした、佐世保の音楽文化遺産となるような曲」をという依頼を團伊玖磨にしたことがきっかけです。

初演は1969年11月9日、佐世保市民管弦楽団の第5回定期演奏会にて、作曲者である團伊玖磨自身の指揮で行われました。

様々な場面で親しまれる楽曲

「西海讃歌」は、その美しい旋律から、様々な場面で市民に親しまれてきました。長年、テレビ長崎の22時台の天気予報のBGMとして使用されていたほか、佐世保市役所では、毎日15時に職員や来庁者向けのストレッチ体操のBGMとして使われたこともあります。

2004年12月5日には、アルカスSASEBOで開催された佐世保市民管弦楽団創立40周年記念演奏会で演奏され、その模様はライブ録音されました。翌年、西海国立公園指定50周年記念事業の一環としてCD化され、佐世保市内のレコード店や佐世保観光情報センターなどで販売されました。CDは一時品切れとなっていましたが、現在は再販されています。過去にはLP盤でも発売されていました。

エピソード

佐世保市内の弓張岳展望台には、「西海讃歌」の原詩となった藤浦洸の詩「空いっぱいに」の詩碑があります。この詩は、藤浦が旧北松浦郡小佐々町の冷水岳からの眺めを基に作ったものです。初演の翌年には、この場所に「西海讃歌」の碑も建てられました。

アルカスSASEBO前の陶製壁画には、「西海讃歌」が描かれています。團伊玖磨が富永雄幸に案内されて弓張岳を訪れた際、この原詩の詩碑を見て、その場で曲に使用することを決めたというエピソードが残っています。

関連事項

* 佐世保市歌

「西海讃歌」は、佐世保の美しい自然と文化を象徴する楽曲として、今もなお多くの人々に愛され続けています。

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