西生寺 (中津川市)

西生寺（さいしょうじ）

西生寺は、岐阜県中津川市本町に位置する真宗大谷派の寺院です。山号は寂光山と称し、本尊には阿弥陀如来を祀っています。

歴史

西生寺の歴史は、越前朝倉氏の一門である朝倉周興師が、越前一乗谷の草庵を離れ、飛騨高山や中山道、美濃街道を経由して中津川宿に入ったことに始まります。元和元年（1615年）には、清水垣外に惣道場として西林寺が創建されたのが、西生寺の起源とされています。

元和5年（1619年）には、粟津右近によって中津川村惣道場宛の文書が認められ、そこには寺の規模や所有する田畑に関する記述が見られます。具体的には、「寺内東西12間、南北16間、寺附田畑3反6畝6歩、此高2石4斗3升6合免許にて無税」と記されており、当時の寺の状況を知る上で貴重な資料となっています。

その後、元禄9年（1696年）には、四世の光量院釈周哲（朝倉周哲）大導師によって堂が建立され、寺号が許されて西生寺と号するようになりました。また、寂光山の山号は、延享4年（1747年）の文書にも確認することができます。

寺は、文政元年（1818年）に本堂や庫裏を焼失するという災禍に見舞われましたが、天保3年（1832年）には朝倉秀圓の尽力によって再建されました。

また、西生寺の梵鐘は、戦時中に供出されましたが、現在の梵鐘は昭和25年（1950年）に新たに鋳造されたものです。

寺宝

西生寺には、数々の貴重な寺宝が伝えられています。その中でも特に重要なものとしては、親鸞上人作と伝わる座木像、蓮如上人自筆の六字名号、全御文五帖目一通、そして夢窓国師画讃紙本戯画一幅などが挙げられます。これらの寺宝は、西生寺の歴史と信仰を今に伝える貴重な文化遺産と言えるでしょう。

参考文献

『中津川市史　中巻Ⅱ』　第五編　近世(二) 第八章　寺社　第二節　寺院　ニ　近世の寺院　 西生寺　p1624～p1625　1988年
『恵那郡史』　第八篇　現代　第四十一章　人文の発展(一)　【各宗寺院】　p612～p619　恵那郡教育会　1926年

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